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06月14日-04号

  • "前田和宏"(/)
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  1. 福井市議会 2017-06-14
    06月14日-04号


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    平成29年 6月定例会               福井市議会会議録 第4号           平成29年6月14日(水曜日)午前10時1分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(31名) 1番 近藤  實君   2番 福野 大輔君 3番 菅生 敬一君   4番 瀧波  滋君 5番 池上 優徳君   6番 八田 一以君 7番 水島 秀晃君   9番 村田 耕一君 10番 藤田  諭君   11番 田中 義乃君 12番 伊藤 洋一君   13番 片矢 修一君 14番 泉  和弥君   15番 玉村 正人君 16番 中村 綾菜君   17番 谷本 忠士君 18番 奥島 光晴君   19番 島川由美子君 20番 下畑 健二君   21番 堀江 廣海君 22番 鈴木 正樹君   23番 今村 辰和君 24番 野嶋 祐記君   25番 青木 幹雄君 26番 石丸 浜夫君   27番 堀川 秀樹君 28番 見谷喜代三君   29番 皆川 信正君 30番 吉田 琴一君   31番 加藤 貞信君 32番 西村 公子君──────────────────────〇欠席議員(1名) 8番 後藤 裕幸君──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         東 村 新 一 君 副市長        山 田 義 彦 君 副市長        西 行   茂 君 企業管理者      谷 澤 正 博 君 教育長        内 田 高 義 君 都市戦略部長     堀 内 正 人 君 総務部長       浅 野 信 也 君 財政部長       玉 村 公 男 君 市民生活部長     野 阪 常 夫 君 福祉保健部長     山 田 幾 雄 君 商工労働部長     港 道 則 男 君 農林水産部長     前 田 和 宏 君 建設部長       竹 内 康 則 君 下水道部長      宮 下 和 彦 君 工事・会計管理部長  山 本 浩 隆 君 国体推進部長     松 山 雄 二 君 消防局長       山 本 太 志 君 企業局長       國 枝 俊 昭 君 教育部長       村 田 雅 俊 君──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長     小 川 敏 幸 議会事務局次長    廣 瀬 峰 雄 議事調査課長     松 井 優 美 議事調査課主任    阪 本 喜 浩 議事調査課主幹    田 中 あ い 議事調査課主幹    笹 野 直 輝 議事調査課副主幹   堀 井 信 也 議事調査課主査    和 田 純 子────────────────────── ○議長(奥島光晴君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立しました。 よって,これより会議を開きます。 なお,本日の欠席通告議員は,8番 後藤裕幸君の1名であります。────────────────────── ○議長(奥島光晴君) それでは,日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第88条の規定により,7番 水島秀晃君,9番 村田耕一君の御両名を指名します。────────────────────── ○議長(奥島光晴君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。 まず,11番 田中義乃君。 (11番 田中義乃君 登壇) ◆11番(田中義乃君) 皆さん,おはようございます。一真会の田中でございます。一般質問3日目のきょうも福井市は爽やかな晴れマークでございます。質問も爽やかに,晴れ晴れと行いたいとは思います。よろしくお願いします。 通告に従いまして3項目お伺いします。 まず,ハピリン開業1年の効果についてお伺いします。去る4月28日,ハピリンが開業1年を迎え,ハピテラスで記念式典が開かれました。年間の総入り込み数が305万8,300人,福福館,セーレンプラネット,ハピテラス,ハピリンホールの合計来場者数は,目標の40万人に対しまして56万人と目標を大きく上回る上々の滑り出しとなりました。また,福井駅西口交通広場の整備と相まって,福井鉄道福武線,えちぜん鉄道三国芦原線の相互乗り入れや福武線ヒゲ線の福井駅前延伸,またハピリンを中心に多くのイベントが開催されたこともあり,福武線の平成28年度の年間利用者数は19年ぶりに200万人を超え,昨年より4万2,000人多い202万5,000人となりました。今年度目標は205万人としています。また,えちぜん鉄道も前年度を9万9,000人上回り,過去最高の355万8,600人と大きく伸ばしました。本年度の目標は360万人としています。いずれも通学定期が減少し,通勤や観光,イベント目的の利用者が順調にふえたとしています。このことからもハピリンの集客効果は大きかったのではないかと思います。 そこで質問ですが,まずハピリンの合計来場者56万人のそれぞれの数値について伺います。セーレンプラネットの入場者,利用料金収入,ハピテラスの入場者数,稼働率,イベント数,ハピリンホールの入場者数,稼働率,能舞台の利用状況,福福館の入場者数について伺います。 開業2年目はさらに重要な年になりますが,市長の記者会見や部局マネジメント方針によりますと2年目の入り込み数の目標は250万人,来場者数は50万人とされ,1年目の実績を大きく下回っています。2年目は開業効果が薄れるということでしょうが,実績を下回る目標というのはいただけません。民間ではあり得ない話だと思います。手を緩めると申しますか,せっかく起き上がっている中心部の民間投資や再開発の計画に水を差すような数値目標ではないかと思います。開業1年目で店舗の充実やイベントの実績があり,また1年間の反省材料を踏まえて,2年目は1年目を上回る目標にすべきと思いますが御所見をお伺いします。 また,ことしの連休中に行われましたまちづくり福井株式会社のアンケートによりますと,ハピリン開業で福井駅前に来る頻度がふえた人が4割を超え,滞在時間もふえています。しかし,ハピリンからガレリア元町商店街や新栄商店街を訪れた人は5%以下とまだまだ少ない状況で,今後どのようにして人の流れをつくる仕掛けをするかが課題となってきています。 そこで,ハピリン開業の相乗効果として,アオッサ,プリズム福井,西武福井店の入り込み状況についてお伺いします。 第2期福井市中心市街地活性化基本計画の平成28年度歩行者・自転車通行量によりますと,ハピリン付近,西武福井店付近,駅前電車通りの南側の,特にハピテラスでイベントを行っている休日がふえており,シンボルロードガレリア元町等は,特に平日が減っています。今後はイベントに頼らず,個店の魅力を増していく必要があると思いますが,どのようにお考えか伺います。 また,昨年9月に発足した共同販売組織一般社団法人EKIMAE MALLがハピリンの波及効果を高めていると思いますけれども,組織,活動状況について伺います。また,福井市としてはどのようにかかわっていくのかを伺います。 経済産業省のはばたく商店街30選に,福井駅前五商店街連合活性化協議会が選ばれました。この理由について伺います。また,福井駅西口地区が全国のすぐれた都市景観を評価する都市景観大賞の都市空間部門の優秀賞を受賞しました。この評価をどのように考察するか伺います。 さて5月23日にはハニー食市場北の庄が閉店しました。2006年に40年間営業した老舗スーパーマーケットまるまんを引き継いで11年間,駅前の台所として親しまれ,大変大きな役割を果たしてきたと思います。優良建築物等整備事業として2019年秋には生まれ変わり,上層部はマンションになると聞いております。福井市はこれまでも中心市街地において数々の再開発事業や優良建築物等整備事業を支援し,多くのマンションが開発されました。コンパクトシティ,まちなか居住を推進するものではありますが,現状の総部屋数,入居率はいかほどでしょうか。 また,福井市は市街地再開発事業に対する国庫補助対象項目の拡充及び採択要件の緩和を内容とする市街地総合再生計画をJR福井駅周辺58ヘクタールを対象として現在策定中であり,また,福井駅・城址周辺地区まちづくりガイドラインを策定済みで,ガイドラインの役割として,「エリア特性・地域課題を踏まえ,住民・事業者・行政等が共有すべき町の方向性・将来像を示します」とあり「住民・事業者等と行政がまちづくりにおいて,話し合いを進めるための手引きとします」としております。どの場所にどのような機能を持った施設を誘導するのか,特に福井駅周辺エリアにおいて北陸新幹線福井開業を見据えた新たな市街地再開発事業の計画が出てきていますが,福井市としてはどのように誘導していくのかお伺いいたします。 最後に,地価調査によりますと,福井市中心部の3カ所で前年より地価の上昇が見られました。これもハピリン効果と捉えるのかお伺いいたします。 2つ目の企業の人手不足について伺います。昨今の実感のない景気回復に伴って浮き彫りになってきたのは,企業の人手不足問題です。福井労働局が発表した県内のことし4月の有効求人倍率は,前月に比べて0.06ポイント上昇し2倍,福井市地区でも1.78倍となりました。バブル期を超え,福井県は24年10カ月ぶりに2倍台に突入し,全国でも東京都に次いで2位となっています。福井労働局は雇用失業情勢は着実に改善していると判断しています。しかし,企業の間では人手を確保できず事業に支障が出ることへの懸念が強まっています。 つい最近ですが,ヤマト運輸株式会社は伸びる需要によってドライバーが不足し,配達の時間指定の見直しや運賃を上げ,またコンビニエンスストアなど24時間営業の小売店や飲食店では営業時間を短縮し,デパートなども正月などの休日をふやす傾向にあると聞いております。これは,働く人たちの労働環境を改善しようという働き方改革です。人手不足で従業員を十分に確保するのが難しくなってきている一方で,長時間労働に対する風当たりは強く,人材を確保するため営業時間を短くしたり,休業日をふやしたり,労働環境の改善で従業員の満足度を高めようとしています。 経済産業省や日本経済団体連合会の主導により始まった月末の金曜日に午後3時をめどに仕事を切り上げて消費喚起を促すプレミアムフライデーキャンペーンについて,福井商工会議所の川田達男会頭は4月の定例記者会見で「人手不足の中で現実的には無理。福井でしようとは全く思わない。対応できる状況ではない」と,協力に否定的な見解を示されました。求人倍率の上昇は景気の改善,企業の業績向上を反映した面もありますが,少子化による人口減少,特に労働人口減少のため求職数が減るという構造的要因が強く,人口減の加速を考えれば人手不足は今後一段と深刻になるおそれがあります。このような雇用環境を福井市としてはどのように捉えているのかお伺いいたします。 対策として,まず企業が生産性を高め,より少ない人員で生産や販売活動が回るようにすること。もう一つは女性や高齢者,障害者などの就業を促し,また高校生や若者の市外への流出を食いとめ,県外の大学生等を呼び戻すUターンやIターンなどあらゆる面で働き手をふやすことであります。 企業の生産性向上のためには無駄な仕事を省き,業務や工程の見直し,ロボットやIT活用などによる効率化,省人化などに積極的に取り組むべきであります。とりわけサービス業は生産性が低く豊富な労働力を前提にした事業モデルのため,その改革にも踏み出すときであると思います。福井市として企業の生産性を高めるための支援策としてどのようなものがあるかお伺いいたします。 女性の就労促進として,来年から既婚者が働く時間を抑えることにつながる配偶者控除を満額受け入れられる上限を103万円から150万円へ引き上げることが決定しています。これが女性の就労促進につながり,人手不足の解消の一助となるか御見解をお願いいたします。 また,一定の職務能力を持った外国人労働者を受け入れることについて,メリット,デメリットはありますが仕組みを検討すべきだと思います。福井市における外国人労働者の現状についてお伺いいたします。 また,若年労働者のミスマッチなどによる離職率が非常に高く,一旦離職すると再就職が難しく,非正規雇用やフリーターとして採用されるなど,若年労働者の低所得,貧困が社会的な問題になっています。平成28年経済センサス福井県分集計結果の速報によりますと,福井市は鯖江市,越前市と比べて非正規社員が多い小売業や飲食業が多く,正社員が多い製造業が少ない状況であります。若年労働者の就労と定着の推進,非正規雇用から正規雇用への促進に取り組む施策が本市の雇用の安定と発展のために必要と考えますが,御所見を伺います。 最後に日本遺産についてお伺いします。報道によりますと,文化庁は4月28日,地域の有形,無形の文化財をテーマでまとめる日本遺産に全国で17件を新たに認定し,福井県関係では日本海側の11市町にまたがる北前船寄港地・船主集落の中で敦賀市と南越前町が,日本古来の焼き物技術を継承している日本六古窯の一つとして越前焼,これは越前町が選ばれました。福井県としては2015年の小浜市と若狭町の御食国若狭と鯖街道が認定されており,これで福井県関係の日本遺産は計3件となりました。日本遺産は,厳しい保全体制と普遍的な価値が求められる世界遺産とは異なり,観光資源の掘り起こしや地域活性化などを狙いとするもので,これまでの文化財が遺産ごとに点として指定されていたのに対し,日本遺産は1自治体に限らず点在する遺産をストーリー立てして関連づけ,面の遺産とすることで地域の魅力をより強くブランド化して発信することにつなげるとしています。つまり敦賀市,南越前町は北前船寄港地というテーマで,また越前町は日本六古窯として焼き物の産地というテーマで認定されています。文化庁は東京オリンピックが開かれる2020年までに100件にふやす方針としています。 さて,本市の養浩館庭園や金沢市の兼六園,岡山市の後楽園,水戸市の偕楽園などを含めた全国10カ所の大名庭園の保護,活用に取り組む大名庭園民間交流協議会は,4月24日東京都内で総会を開き,日本遺産認定世界遺産登録を目指すことで一致しました。大名庭園サミットを毎年持ち回りで開催し,2014年には福井市で開催しております。ことしは10月に岡山市で第11回の大名庭園サミットが開催されます。ここで日本遺産認定世界遺産登録をテーマに据え意見交換をすることになりました。今後は各庭園の魅力や価値の発信力を高め,各市民団体は申請の中心となる地元自治体と連携し,機運を醸成し東京オリンピックが開かれる2020年をめどに日本遺産認定を目指すとしております。 日本遺産に認定されますと,認定された養浩館庭園,また福井市の認知度が高まるとともに,今後,日本遺産を通じたさまざまな取り組みを行うことにより,住民,地域のアイデンティティーの再確認や地域のブランド化等にも貢献し,ひいては交流人口の増加,地方創生に大きくつながるものと思います。 この申請について,文化庁は自治体から候補を募集することとしておりますので,福井市の協力は不可欠であります。民間の市民団体が養浩館庭園を守る会を組織しておりまして,これを中心として行政の絶大な支援をお願いいたします。米国の日本庭園の専門誌の評価も高い養浩館庭園が,大名庭園民間交流協議会の一員として日本遺産認定を目指すことへの御所見を伺います。養浩館庭園の日本遺産認定を目指しましょう。日本遺産認定を目指しましょう。日本遺産認定を目指しましょう。3回申し上げましたので,どうぞよろしくお願いします。 (副市長 山田義彦君 登壇) ◎副市長(山田義彦君) 日本遺産についてお答えいたします。 日本遺産は,文化財そのものの価値を評価して認定するものではなく,地域の歴史的魅力や特色を通じて文化や伝統を語るストーリーを認定するもので,これまで全国で54件が認定されております。この日本遺産認定を受けることは,地域の歴史や文化資源の有効活用だけではなく,本市の観光誘客を図る上で非常に効果があると考えております。 今回,大名庭園民間交流協議会が目指します日本遺産は,複数の大名庭園を一つのストーリーとして結びつけるというもので,それぞれの庭園をどのように位置づけ,どのようなストーリー展開を図っていくかを今後検討していくということでございます。本市の養浩館庭園は,国の名勝に指定されている文化遺産で,年間7万人を超える人が訪れる福井市を代表する観光資源の一つでもございます。また,アメリカの庭園専門誌による日本庭園全国ランキングにおきまして毎年上位を維持するなど,日本遺産の要素を十分有しておりますので,本年10月の岡山市での大名庭園サミットを足がかりに,大名庭園民間交流協議会の加盟団体や関係自治体と協議し,認定を目指してまいりたいと考えております。 (都市戦略部長 堀内正人君 登壇) ◎都市戦略部長(堀内正人君) ハピリン開業1年の効果のうち,まずハピリンの平成28年度の入場者数についてお答えいたします。 セーレンプラネットの入場者数は約12万5,000人,展示室及びドームシアターの利用料金収入は2,580万円でございます。ハピテラスの入場者数は約23万7,000人,稼働率は83%であり,イベント数は110件でございます。ハピリンホールの入場者数は約4万人,稼働率は67%であり,能舞台の利用状況はハピリンホールの利用日数228日のうち70日で,能楽の公演や体験教室などのイベントが開催されております。また,福福館の入場者数は約15万3,000人でございました。 次に,開業2年目の目標値についてお答えいたします。平成29年度の目標値につきましては,平成28年度のグランドオープンの影響を除いて算出した数値となってございます。本年度は,昨年度の実績や評価を踏まえ,より魅力的で気軽に参加できるようなイベントを企画いたしまして,新規顧客の誘客やリピーターの確保に努めますとともにさまざまな媒体を活用した施設及びイベントのPR活動を行い,平成29年度の目標でございます250万人を上回るような取り組みを進めてまいります。 次に,アオッサ,プリズム福井,西武福井店の入り込み状況についてお答えいたします。ハピリン開業1年後の入り込み状況につきましては,昨年と比べてアオッサでは入館者数が約1.2倍,プリズム福井では買い物客数が約1.1倍,西武福井店では入店客数が昨年とほぼ同じでございました。 次に,都市景観大賞優秀賞の受賞についてお答えいたします。この賞は,平成3年度から都市景観の日実行委員会がよりよい都市景観の形成を目指すことを目的に,全国のすぐれた都市景観を表彰しているものでございます。 今回,優秀賞を受賞した福井駅西口地区は,にぎわい交流の拠点となる再開発ビルハピリン,明るく開放的な屋根付広場ハピテラス,そして複数の公共交通機関が結節する福井駅西口広場の3つの施設から成る一体的な都市空間が,福井市の新たな顔を形づくったとして評価されたものでございます。再開発やまちづくりの成功事例として評価をいただいたことは大変光栄でございまして,今回の受賞を励みにさらなるにぎわい創出に取り組んでまいります。 中心市街地における行政支援により整備された分譲マンションについてお答えいたします。平成14年度以降,市街地再開発事業や優良建築物等整備事業により整備された分譲マンションは6棟で398戸を供給しており,そのうち約8割の入居を把握しているところでございます。 新たな市街地再開発事業の計画の誘導についてお答えいたします。平成28年3月に策定した福井駅・城址周辺地区まちづくりガイドラインにおいて,福井駅周辺のエリアでは北陸新幹線福井開業による交流人口の増加を見込んだMICE機能や,宿泊施設,飲食店等のおもてなし機能の強化を図るとしております。今年度は,このガイドラインの実行計画として,福井駅・城址周辺地区市街地総合再生計画を策定します。再生計画では,官民連携による街区整備,都市機能の更新と誘導,景観の保全や修景など魅力ある市街地環境の整備を図るための具体的な整備方針や手法を盛り込み,住民,事業者,行政が共有できるまちの将来像をお示ししてまいります。今後,地元や事業者等の意見を踏まえた上で再生計画を作成し,民間再開発事業の推進と適切な誘導を図ってまいります。 市中心部の地価についてお答えいたします。平成29年地価公示において地価を押し上げている要因としては,昨年の福井駅西口広場の供用開始,再開発ビルハピリンの開業効果によるものとしております。そのほか,平成34年度の北陸新幹線福井開業や,ユアーズホテルフクイを核とした再開発事業,中央1丁目で進められている優良建築物等整備事業など,福井駅周辺の活性化の動きが見られたこともその要因であると分析しております。 (商工労働部長 港道則男君 登壇) ◎商工労働部長(港道則男君) 初めに,ハピリン開業1年の効果の残りの質問にお答えします。 まず,店舗の魅力の向上についてですが,近年福井駅周辺ではカフェや居酒屋などの飲食店,エステや整体などの美容店を中心に個性的な店舗がふえています。本市としては,このような動きをさらに促進するため,古くなった建物を有効活用して魅力的な店舗の出店を図るリノベーションまちづくりを推進しています。また,福井国体の開催などを見据えて多くの来街者に福井の魅力を感じていただくため,店舗の外観改修と合わせて福井らしい食の提供やお土産品の充実などに取り組む商業者に対し,県と連携して支援を行っています。また,現在商業者が一体となり,まち全体の魅力創出につながる共同販促の取り組みを行っておりますことから,市としましてもこのような動きと連携しながら継続的なまちなかの魅力向上を図ってまいります。 次に,一般社団法人EKIMAE MALLについてですが,この団体は福井駅周辺の商店街や百貨店等が連携し,エリア全体を一つのショッピングモールに見立て,共同販促によるまちなかの活性化を目的に昨年9月に設立された一般社団法人です。具体的な取り組みとしては,フリーペーパー「エキマエモールプレス」の発行や,ウエブサイトを通じて店舗やイベントなどの情報を発信しているほか,商業者が連携したハロウィンパレードなどの実施にも取り組んでいます。このような商業活性化の取り組みは,本市が進めるまちなかのにぎわい創出の施策にも沿うものであるため,市が主催するまちフェスの企画運営に今年度から一緒に取り組んでいただいているほか,EKIMAE MALLの取り組みに対しては本市の第三セクターであるまちづくり福井株式会社が共同して携わっています。今後も連携してまちなかのにぎわい創出に取り組んでまいります。 次に,はばたく商店街30選ですが,これは国が地域の特性を把握した創意工夫のある取り組みにより商店街の活性化や地域の発展に貢献している商店街を選定しているものです。福井駅前五商店街連合活性化協議会は,リノベーションの取り組みや商店街の枠を超えた連携によるまちづくりの推進が評価され,平成29年版として選ばれたものです。 次に,企業の人手不足についてお答えします。まず,雇用環境についてですが,ハローワーク福井管内における4月の有効求人倍率は1.78倍で,平成4年以来の高水準となっています。職種別求人,求職状況を見ますと,特に接客・サービス業で8.31倍,理容師・美容師で6.88倍,建築・土木技術者で6.00倍となるなど高い数値を示しており,人手不足は深刻な状況にあります。また,新規学卒者向け企業説明会への参加者は減少しており,企業の人事担当者からは,新規学卒者の採用が非常に難しくなっている。特に専門職については既卒者を含め募集してもなかなか応募がないなどの現況を伺っており,今後,少子化や若者の県外流出などによる労働力人口の減少が進めば,雇用環境はますます厳しくなるものと認識しています。 次に,企業の生産性向上に向けた支援策ですが,作業工程の自動化や生産スピードの向上のために製造業者が新規設備の導入や既存設備の更新を行う際の費用の一部を補助しています。また,中小企業者が設備投資の資金を低金利,長期返済で調達できる融資制度を設けるとともに,保証料や利子の補助を行っており,利用者の負担軽減を図っています。さらに,製造業者の設備投資の支援の際に中小企業診断士がアドバイスを行ったり,事業者からの相談に対し専門的知識を有する福井商工会議所と連携して対応するなど,きめ細かな支援を行っています。 次に,配偶者控除の引き上げについてですが,もう少し働きたいと考えている女性にとっては,就労時間をふやすきっかけになると考えています。女性の就労をさらに進めるためには,ワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい職場環境の整備や女性の活躍促進が重要であると考えており,市では短時間勤務制度などの柔軟な働き方の導入に取り組む企業や,女性管理職の養成や女性の職域拡大に取り組む企業に対し支援しています。 次に,外国人労働者の現状についてお答えします。本市のデータはないため,福井労働局が発表している福井県のデータでお答えしますと,平成28年10月末時点で外国人労働者を雇用しているとして届け出のあった事業所は1,086社で,前年同期に比べ88社,8.8%の増でした。また,外国人労働者数は6,460人で,同じく439人,7.3%の増でした。職種別内訳としては,製造業が3,181人で全体の49.2%を占め,次いでサービス業が1,863人で28.8%となっています。サービス業については平成25年時点では338人でしたので,3年間で約5.8倍となっており人手不足解消の手段として外国人の雇用が急速に進んだものと考えています。今後は労働生産人口の減少に伴い,製造業やサービス業に限らず専門職も含めたあらゆる職種において外国人の雇用が進むことが考えられます。外国人の雇用が進むことにより,企業が外国人労働者を雇用調整に利用したり,いわゆる3Kと言われるような苛酷な労働環境で業務に従事させたりするおそれがあることから,本市では労働相談事業を行う中で外国人を雇用する企業や外国人労働者の適正な就労環境の確保に努めてまいります。 次に,若年労働者の就労と定着の推進についてお答えします。非正規雇用は雇用関係が不安定であるとともに,正規雇用と比べ年齢を重ねるにつれて賃金格差が拡大していきます。非正規雇用により安定した経済基盤を確立できない若者の増加は本市にとっても大きな問題です。そのため,本市では若年労働者の就労と定着の推進や,非正規雇用から正規雇用への転換が重要であると考えており,若年労働者の就労を推進するために学生を対象に国,県との共催により合同企業説明会,面接会を開催しています。学生に地元企業や業界事情などの情報を提供することで就職活動におけるミスマッチを防ぎ,新規学卒者の早期離職や非正規雇用化の防止に取り組んでいます。加えて,今年度から就業を希望する若年者向けの就職相談会を実施します。また,企業向けに福井市若年者正規雇用奨励金事業や,福井市若年者キャリアアップ助成金事業を実施し,若年者の就労や非正規雇用者の正規雇用への転換を促進しています。引き続きこれらの施策を実施し,若年労働者の就労と定着の促進,非正規雇用から正規雇用への転換に取り組んでまいります。 ◆11番(田中義乃君) 1点だけお願いします。現在の福井駅前の状況は,ハピリンの開業効果が大きくあらわれていると思います。今後は楽観することはできませんし,悲観することもないと思います。この1年間のよかったところと悪かったところをしっかりと考察していただいて,2年目に向けてPDCAサイクルをしっかりと回していただきたいと思いますが,御所見があればお願いいたします。 ◎都市戦略部長(堀内正人君) まちづくりにおいて,事業効果をいろいろと検証しながら次の取り組みに対応していくのは非常に大事なことだと考えております。その中で,歩行者・自転車通行量につきましても,平成28年度は前年度と比べて3割増加するなどの効果はございましたが,それでも目標にはまだ到達していない状況でございます。回遊性が一部分に偏っているという部分について検証を進めており,その回遊性を全体に波及させていけるような取り組みを今後検討してまいりたいと考えております。 ◎商工労働部長(港道則男君) 先ほどの答弁の中で外国人労働者数のサービス業における年度の比較の中で,平成25年度時点で338人であり,3年間で約5.8倍となったと申し上げましたけれども,5.5倍の間違いでございます。訂正しておわびさせていただきます。済みませんでした。 ○議長(奥島光晴君) 次に,22番 鈴木正樹君。 なお,鈴木議員から資料配付の依頼がありましたので,許可しました。 (22番 鈴木正樹君 登壇) ◆22番(鈴木正樹君) 日本共産党議員団の鈴木正樹です。私は,市民の暮らしを応援し,平和を守る市政を求めて質問を行います。 まず,中核市への移行と市民の理解や合意について質問します。先日,中核市への移行についてと題した資料の説明を市から受けました。説明資料によれば,中核市への移行によって民生・保健衛生・環境・都市計画・建設・文教・その他を含め2,490もの事務が県から市に移管されることになること,そして,その移譲事務に伴い必要となる人員が合計で64人,保健所業務の研修等による県への職員の派遣も必要となることが明らかにされました。もう一つ示されたのが中核市移行における財政負担です。資料によれば毎年必要な人件費などの経費であるランニングコストについては,ほとんど全額が交付税で措置され,市の持ち出しはないとのことですが,準備経費であるイニシャルコストについては約3億1,300万円が一般会計からの負担となるとのことです。この間,何度か指摘してきたように,中核市への移行による市民にとってのメリットが余り感じられません。今回の資料でも中核市への移行による主な効果として相談窓口の明確化,事務手続の迅速化などが挙げられていますが,県との連携をより強めれば達成できるものばかりであり,新たな人員を確保し,3億円以上もの財源をつぎ込む必要性が見えてこないままです。 このような中で,私の身の周りの方々に聞いても中核市への移行について賛成・反対を聞く以前に,中核市への移行に関心がないというのが実情です。市民は中核市移行についてどの程度関心を持っておられると認識しておられますか。市民不在の中核市への移行はあってはならないと思いますがどうでしょうか。見解を求めます。 この間,市は中核市の説明を行ってきたと言いますが,市民と中核市への移行についてを本題として語り合う場をつくってきたことはありますか。せめて,中核市への移行を本題として,市民からの意見を聞く市民説明会を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。 中核市への移行とともに平成31年度4月のスタートを目指して進めているのが連携中枢都市圏構想です。自治体ごとに施設や業務をフルセットで備えているこれまでのやり方から,連携する自治体間でのコンパクト化・ネットワーク化により,施設や業務の集約化を進め,人口減少や少子・高齢社会への対応を進めるとしています。しかし,先行している地域では中心となる都市に福祉・医療や教育といった分野が集約され,周辺部の市町村のサービス低下を招いています。これまでの議会答弁では,福井市を含めた嶺北の7市4町で勉強会をしてきたとしていますが,参加する市町の枠組みは,嶺北7市4町というこれまでの勉強会の構成を引き継ぐことになるのですか。今年度はどのようなスケジュールで進めるつもりなのか答弁を求めます。 全国で問題とされているのは,施設や業務の集約化によって,自分の住んでいる自治体や地域から施設がなくなったり,不便になることです。連携中枢都市圏構想の枠組みで集約化される施設にはどのようなものがあるのか答弁を求めます。 平成31年4月のスタートを目指し進めていくとしていますが,連携中枢都市圏構想では周辺部の施設が集約化され不便になるなど,住民の暮らしにかかわる問題も生まれます。しかし,中核市への移行以上に,連携中枢都市圏構想は,市民への説明もなく,住民からの理解は得られていないのではないでしょうか。連携中枢都市圏構想について住民からの理解はどの程度得られているとお考えか,市町で枠組みをつくる前に住民の意見を広く求めるべきではないでしょうか。あわせて答弁を求めます。 次に,安倍首相による憲法第9条改定に対する市長の考えについて質問をします。 安倍首相が5月3日,改憲団体の集会で「2020年までの改憲を目指す」,憲法第9条について「自衛隊に関する条項を追加する」とメッセージを送りました。そもそも憲法擁護義務を負う行政の長たる内閣総理大臣が憲法改定を促す発言をすること自体,憲法違反であり権力の暴走です。それと同時に,平和憲法第9条の改定に踏み込んだ発言であり,戦後日本が歩んできた平和主義が岐路に立たされています。 憲法第9条は,第1項で戦争と武力について国際紛争の解決の手段として永久にこれを放棄するとうたい,第2項で陸海空軍その他の戦力を保持しない。交戦権を放棄するとしています。国家権力である政府による戦争行為を否定した第1項で戦争を放棄し,そのための武力の保持を認めないとした第2項の武力の放棄によって,二重に平和主義を貫く仕組みが明文化されています。これまで自由民主党が示してきた憲法第9条の改憲案は陸海空軍その他の戦力を保持しない,交戦権を認めないとした第2項を削除した上で自衛隊を明記するという案でした。しかし,この第2項を削除し,自衛隊を正式な軍隊として明記することは,国民から納得してもらうことが難しく,改憲に必要な過半数を超える国民の支持を得ることが難しいことは,安倍首相も認めるところです。国民は平和主義からの逸脱と,海外で戦争できる国づくりなど望んでいないことは明らかです。この戦争に反対する世論に正面から挑むことを避けながら戦争する国づくりを進めようとするのが,首相が新たに語った第9条の第1項第2項は残したまま,第3項に自衛隊を明記する加権論です。3項目として自衛隊を明記するとどうなるか。例えば第3項に国際貢献や集団的自衛権のための海外での戦闘活動を自衛隊の任務として位置づければ,自衛隊による海外での武力行使やそれに必要な装備のための軍事費の拡大につながり,海外での際限ない武力行使に道を開くことになります。この憲法第9条の自衛隊明記論について東京大学法学部の石川健治教授は,中日新聞社のインタビューで,第9条に第3項を新設して自衛隊を明記すれば「軍事力のコントロールが憲法上なくなってしまいます」と語っています。 安倍首相の改憲案は,災害救助などで活躍する自衛隊を憲法上認めるだけのように装いつつ,実際には海外での無制限の武力行使に道を開くものであり,事実上の平和憲法第9条の死文化です。平和都市宣言をしている福井市として,海外での武力行使に道を開く憲法第9条への自衛隊の明記に反対すべきと考えますがどうでしょうか。市長の見解と答弁を求めます。 次に,市内の放課後児童の児童館・児童クラブの入所状況について質問します。私たち日本共産党議員団に,市内の児童館や児童クラブに入れないという父母の相談の声が寄せられました。その声に応えるべく質問を行います。 国の補助も受けて市が行っている放課後児童健全育成事業は,必要とする小学校6年生まで全ての子供を受け入れることを想定して行われています。担当課としても「児童館や児童クラブへの入所について,必要性のある児童は小学校6年生まで受け入れている」との認識であるとお聞きしました。しかし,小学校区によっては児童館や児童クラブに希望しても入れないという事態が起きています。ある小学校区では児童館や児童クラブの定員が小学校3年生まででいっぱいになってしまうため,小学校4年生以上の児童の親は申請しないことが暗黙の了解となっているそうです。また,同居していなくても同じ小学校区内に祖父母が住んでいる場合は申請をしないよう促されるそうです。実際には小学校3年生までで定員を大きく超える申請があるため,児童館や児童クラブで抽せんを行い,抽せんに外れると入れない子供が出る。しかも,この抽せんに参加できるのは,夕方の17時までのフルタイムで働く父母のみで,父母のどちらかがそれより早く仕事が終わる方は児童館や児童クラブに申請しないよう言われるそうです。これらの父母のお話が事実だとすれば施設ごとに独自の基準を設けたり,ある学年になったら父母のほうが利用を遠慮する暗黙のルールがつくられたりして,市が想定しているよりも入所条件が厳しくなっていることになります。市はこのような実態をつかんでおられますか,答弁を求めます。 昨年度末に,私に相談に来られた御家庭の状況は,お母さんは夜勤も含めた交代勤務,お父さんは毎日夜遅くまで会社から帰れないという状況でした。どちらの祖父母も仕事の関係で県外や市外におり,子供が児童館や児童クラブに入れなければ,仕事が続けられなくなるとせっぱ詰まって相談に来られました。この事態を報告したところ,学校教育課に迅速に対応していただきました。市は実態をつかめば非常に親身に対応していただいていると私も感じています。しかし,この小学校区では,児童クラブの応募者が定員を大きく上回ったため,運営者は,入れない子供たちの父母の申請書を受け付けずに郵送で返してしまっていました。危うく児童館にも児童クラブにも申請していなかったことになりかねない事態だったのです。市が応募者を直接つかんでおらず,実際に,どの地区にどの程度入れない子供がいるのかつかみ切れていない。だからこそ,入れない子供に対する対策がとり切れていないのではないでしょうか。まず,入りたくても入れない子供がどの程度いるのか,抽せんに外れ入れなかった子供がどの程度いるのか,各小学校区ごとの実態をつかみ切る調査をすべきではないでしょうか,答弁を求めます。 小学校区によって,受け入れられる学年に差が生まれていることについて市はどのように考えていますか。どの小学校区においても,児童館や児童クラブを必要とする小学校6年生までの全ての希望者を受け入れられる体制づくりが必要ではないでしょうか,答弁を求めます。 もし,その体制づくりについて今年度からすぐにということが難しいならば,今後2年程度で全ての小学校区で6年生まで子供が入所できる体制づくりの計画を策定すべきと考えますがどうでしょうか。答弁を求めます。 市は,現在のところ小学校の空き教室の利用を進め,新たな児童館施設の建設などは考えていないとしてきました。しかし,小学校区によっては空き教室の利用だけで,必要とする全ての6年生までの児童を受け入れられないところがあるのではないでしょうか。その見解を求めます。 そして,小・中学校の空き教室の利用だけでなく,必要なら児童館の新設や増築を含めた計画をつくるべきと考えますがどうでしょうか。答弁を求めます。 最後に,森林間伐の実態について質問します。先日,私のところに,本人の承諾をとっていないのに森林組合が間伐に入っていることがあるとの相談が寄せられました。関係者から話を聞くと,間伐が行われた森林の持ち主が承諾書にサインや押印をした記憶がないのに間伐されているケースや,間伐する予定でなかった土地を誤って間伐してしまうケースが実際に起きているとのことで,現在森林組合と地域住民とが争っています。福井新聞にもこのような記事が載りました。この間,議会でも議論されてきたように,山の持ち主が死亡したことなどにより次の世代が山の持ち主であることを認識していない,山が何世代にもわたって放置された結果,相続などの手続がされておらず,権利関係がはっきりしない,若い世代は境界線がどこかもわからない,そもそも山や森林を持っている持ち主の関心が低いなどの理由が合意形成の手続の不備に拍車をかけていることが予想されます。しかし,森林や山はその持ち主のれっきとした財産であり,その承諾なしに山に立ち入り,間伐を行うことが許されないことは当然のことです。森林組合が山の持ち主や地域住民との合意形成を丁寧に行うよう,市として対策をとるべきと考えますが,どうでしょうか。答弁を求めます。 もう一つ,私のところに相談に来た方がおっしゃるのは,福井市の森林間伐の実態が市の計画からかけ離れているのではないかという指摘です。この方が持っている森林の間伐が終わったあと,かなり木が少なくなったと感じたので,実際に立っている木と間伐された木の数を数えて回ったところ,間伐前は1ヘクタール当たり515本でしたが,104本が間伐され1ヘクタール当たり411本まで減ったそうです。福井市森林整備計画によると,この方の森林は1ヘクタール当たり770本が望ましいとされる地域となっており,実際にはその半分ほどになってしまっています。このような状況がほかの地域でも起きているとすれば,森林整備計画は有名無実となってしまいます。実際の伐採状況が森林整備計画に沿った間伐となっているのか現地調査を行うべきと考えますが,どうでしょうか。答弁を求めて総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (総務部長 浅野信也君 登壇) ◎総務部長(浅野信也君) 中核市への移行について,まず市民の関心度とかかわりでございますが,中核市への移行は本市の未来に影響を与える大事な政策であり,市民とともに考え進めていくことが基本であります。そのためには,市民の皆様に必要な情報を提供し,関心を持っていただくことが重要であり,昨年度まで,中核市制度や移行に対する考え方について窓口や各種イベントでのチラシ配布,市政広報,ホームページを通じたPRに努めてまいりました。本年度からは,市民の皆様にさらに関心を持っていただき,理解を深めていただくため,これまで検討し整理しました市民生活面での具体的な効果について広報を始めたところであります。今後は,これまでの手段に加え,テレビやラジオといった媒体も活用するなど,より効果的な手段を用いてわかりやすく周知広報してまいります。 次に,中核市移行に対する市民からの意見の広聴につきましては,これまで連合婦人会や自治会連合会,薬剤師会など各種団体との意見交換のほか,パブリックコメントやホームページによる意見募集を行ってまいりました。今後も引き続き出前講座やホームページにより御意見をお聞きするとともに,市長と語る会を初めとする地域・団体との各種会合等に積極的に出向き,幅広く市民の皆様に御説明し御意見を伺ってまいります。また,中核市移行については福祉や保健,教育などさまざまな分野の市民生活にかかわりがあることから,市職員全員がその目標や意義を十分に理解し,それぞれがあらゆる機会を捉えた情報発信を行う必要がございます。これまで全部局長や関係所属長に対して移行効果等の説明を行っておりますが,今後さらに全ての職員に対する研修会などを行い,意識と情報の共有化を図ることで全庁的な取り組みとして進めてまいります。 次に,連携中枢都市圏構想に参加する市町についてですが,嶺北一円の全市町である本市及び大野市,勝山市,鯖江市,あわら市,越前市,坂井市の7市と,永平寺町,池田町,南越前町,越前町の4町を協議の対象としております。 次に,今年度のスケジュールですが,この4月の副首長会議において連携に関する協議の実施について合意形成を図り,それを受けて現在連携すべき分野と,分野ごとに具体的な施策内容について市町間協議を行っております。その結果を踏まえて,年度内に都市圏ビジョンの骨子案を取りまとめる予定です。 次に,連携中枢都市圏構想の枠組みで集約化される施設についてでございますが,現在のところ施設の集約化は考えておりません。 次に,住民の理解の程度と住民の意見を広く求めることについてですが,中核市移行の効果として,連携中枢都市圏の形成により各市町の多様な資源を活用し,相乗効果を発揮するものとして広報しており,今後も周知広報に努めてまいります。今後,協議を進めていく中で連携する市町,具体的な取り組みなどを盛り込んだ連携中枢都市圏ビジョン案を策定した際に,住民の方々から広く意見をお聞きしたいと考えております。 次に,憲法第9条の改正についてお答えします。現段階では,憲法改正の具体的な内容が示されたわけではありませんので賛否についてはお答えしかねますが,新聞報道等により自衛隊の存在を追記するなど憲法改正をめぐる議論が活発化していることは承知しています。憲法改正については,活発な国民的議論を経る中で,未来にわたり国民の生命と平和な暮らしを守ることを大前提として,国民とともに考えていくべきことと考えております。 (教育部長 村田雅俊君 登壇) ◎教育部長(村田雅俊君) 放課後児童会,児童クラブについてお答えいたします。 まず,放課後児童会及び児童クラブの受け入れ学年についてですが,本市では放課後留守家庭の児童全学年,小学校1年生から6年生の中で,条件に当てはまる児童を全員受け入れ対象としています。また,児童の入会に当たっては,保護者と運営者との間で十分な協議がなされているものと認識しています。 次に,小学校区ごとの実態の調査についてですが,教育委員会ではこれまでも入会者の登録の前には放課後児童会,児童クラブの申し込み状況を確認しており,同じ小学校区内にあるほかの放課後児童会,児童クラブの中で定員に余裕のあるところへの入会や,定員の弾力化による受け入れ先の調整を行っております。仮に受け入れ条件を満たしているのに入所を断られるケースがあったということがあれば,運営者への調査の仕方を再検討して確かな実態を把握するとともに,それに見合った適切な対応に努めてまいります。 次に,希望者全てを受け入れできる体制づくりや施設の増設等についてお答えいたします。放課後児童の居場所づくりは国全体で推進しているものであり,本市では部局マネジメント方針にも挙げております。放課後児童健全育成事業において,施設整備は小学校児童数の将来推移やニーズ調査から予測した入会希望者数に基づき計画を立てております。これにより,希望する全学年の児童が入会できるよう施設を整備してきたところでございます。市といたしましては,小学校区ごとの入会登録児童数の推移を予測しており,将来,現在の児童館,児童クラブの施設だけでは不足する小学校区があることも予想しております。そうした地区については,小学校の空き教室や市有施設だけではなく,特別教室等の効率的な利用を検討し,新築や増築よりも,今ある施設を有効に活用することを中心に考え,受け入れ体制を整えてまいります。 (農林水産部長 前田和宏君 登壇) ◎農林水産部長(前田和宏君) 森林間伐の実態についてお答えいたします。 まず,山の持ち主や地域住民との合意形成についてでございますが,間伐に当たっては市と森林組合が連携いたしまして森林所有者や地域住民に対し森林整備に関する説明会を行っております。また,現地では森林所有者と森林組合職員が立ち会い,境界等の確認を行うこととなっております。しかしながら,今回このような情報を把握したことから,森林組合に対しましては森林所有者への丁寧な説明を行い,双方が十分に納得した上で施業すること,また必要な契約書等については直筆の署名で作成するなど適切に証拠書類を作成することなどを要請したところでございます。このような事案が発生する一因といたしまして,境界が不明確な森林が増加し,森林整備に支障となっていることがあります。そのため,本年度から森林境界保全事業によりまして,民有林の人工林等を対象に森林境界のGPS測量等をするために必要な経費を支援することといたしました。 次に,実際の伐採状況の現地調査についてでございますが,1ヘクタール当たり770本とは,福井市森林整備計画の中の間伐の指標でございまして,実際,森林は斜面の向きなど条件により成長が異なるため,木の太さや枝の張りぐあいなどの現場状況を確認して間伐を実施しているところでございます。また,県及び市では,間伐実施後の補助申請に基づき抽出して検査を実施しております。今回のことを受け,本市といたしましては県に対してこのようなことが今後ないように申し入れるとともに,森林組合に対しては再度適切な森林施業をするよう指導してまいります。さらに,今後は県と連携して,検査の抽出頻度をふやし,森林施業と保護についての5年間の計画でございます森林経営計画との整合性の確認の強化を図ってまいります。 ◆22番(鈴木正樹君) 自席にて再質問をさせていただきます。 まず,中核市や連携中枢都市圏構想ですが,お一つ答えていただいていないことがあるんです。 市民の皆さんが,どの程度理解や関心を持っておられるのかということをお尋ねしたんですが,市の認識が語られていません。私は率直に言って,市民の理解はなかなか進んでいない状況だなと感じています。その点についてはどういう認識なのかお答えください。 ◎総務部長(浅野信也君) まずは市民の皆様に関心を持っていただくことが大事だということで周知広報に努めているわけでございます。ただ,御理解いただいているのかということにつきましては,なかなか判断する部分がございませんが,今まで開いてきた出前講座など,いろんなところで御意見をいただく中では,ある程度御理解いただいているのかなという見解は持ってございますが,まずはもう少し関心を持っていただくように,さらに周知広報に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆22番(鈴木正樹君) もう一つお聞きします。連携中枢都市圏構想ですが,現時点では集約化される施設はないとお聞きしました。現在はないわけですね。それでは,このまま議論が進んでいくと集約化される施設や業務が出てくる可能性はないのですか。 ◎総務部長(浅野信也君) 私どもといたしましては,あくまでも今回の連携につきましては,今,施設を集約するという感覚で協議を始めているわけではございません。その議論の中で他の市町においてそれはどうしても集約してほしいという議論になればそういうこともあろうかと思いますが,私どもが今目指しているのは,例えば観光面でいろんなことをPRするために連携していこうとか,産業を振興していくために各市町と共同の展示会をやろうとか,一緒に商談会,物産展をやろうとかということです。そのようにいろいろ連携することでお互いがPRしやすくなって地域が一体的に発展する方法を今議論しておりまして,施設の集約化,業務の集約化ということを議論しているわけではございません。
    ◆22番(鈴木正樹君) 先ほど総括質問でも言ったように,施設が集約化されるということになれば身近な施設がなくなったりするわけです。はっきり言って,中核市についても連携中枢都市圏構想についても市民の理解は本当に進んでいないなというのが私の実感です。施設の集約化を含めて住民の暮らしにかかわることで大きな変化が出るときには,住民にきちんと説明を行って,その意思をきちんとお聞きした上で決めるというのが筋だと思いますが,そういう説明会はもちろんしていただけると考えればいいのか,答弁を求めます。 ◎総務部長(浅野信也君) 今回協議を行っている連携中枢都市圏構想につきましては,先ほど御説明いたしました7市4町で連携をするわけですが,あくまでもそれぞれの市町とこのことについてはともに連携しようということを議論してやっていきますので,今御心配のようなお互いに施設を集約していく,集約化してしまうという発想で物事を進めているわけではございません。 それから,中核市につきましてもまだまだ周知が進んでございませんので,その辺についてはよりわかりやすい周知方法を今後も十分検討しながら市民の皆さんの理解を得るように努めてまいりたいと思っております。 ◆22番(鈴木正樹君) 確認で聞いておきたいんですが,この7市4町の枠組みが確定するのは,スケジュールとしてはいつになるのか,それだけ確認させてください。 ◎総務部長(浅野信也君) 今7市4町とどのような分野で連携することがよいのかということを一生懸命協議をしてございまして,今年度中には都市圏ビジョンの骨子案を取りまとめてまいります。来年度はその内容をさらに案という形でもう少し深く掘り下げるために,有識者による懇談会,検討の場,検討ビジョンの懇談会というものをつくりながらこの案を練ってまいります。最終的には来年12月ごろには連携中枢都市圏のビジョン案をしっかりまとめて,パブリックコメントなどもやっていきたいと考えてございます。 ◆22番(鈴木正樹君) 時間がありませんので,児童クラブ,児童館の入所状況について質問します。 きょう,資料を学校教育課につくっていただいて配付させていただきました。各小学校区の児童館と児童クラブの利用登録状況を学年ごとに見るとどうなっているのかという資料です。昨年度と今年度の資料をつくっていただきました。この状況を見ると,小学校4年生になるとぱったり児童館や児童クラブを利用しなくなる小学校区がある中で,小学校4年生以上も利用を続けている小学校区もあります。先ほど述べたように児童がふえ続けている地域の小学校区は,小学校3年生までで児童館や児童クラブの定員がいっぱいになるという状況がありますから,父母の方は小学校4年生になったら利用を遠慮しよう,児童館や児童クラブの運営者側は,小学校4年生になったら利用は遠慮してもらいたいという意識になってるのではないかと思うんです。 改めて確認をします。市としては小学校4年生以上も必要な方はどの小学校区でも利用していただきたいという立場ですね。 ◎教育部長(村田雅俊君) 全くそのとおりでございます。 ◆22番(鈴木正樹君) 小学校4年生以上も利用していただきたいということを父母にももう一度周知徹底していっていただきたいし,児童館や児童クラブにもそういう体制のことについてしっかり相談していただきたいと思います。 もう一つ気になるのが,5枚目の資料を見ていただきたいんですけれども,小学校3年生でも利用ができない子供がいるのではないかということです。お配りした5枚目の資料は,昨年4月に小学校1年生,2年生だった子供たちがことし小学校2年生,3年生になっても児童館や児童クラブを利用できているか見るために抜き出したものです。小学校1年生から2年生に上がるときは8割以上が利用登録できているという小学校区は,47の学校区のうち38にまで上りますが,小学校2年生から3年生に上がるときには利用登録者数が8割以上になる学校区は18しかありません。学年が上がるほど利用のニーズはもちろん減っていきますけれども,小学校3年生になっても8割以上が続けて利用する小学校区が一定数あることから見て,地域によって小学校3年生が利用しやすいところとしにくいところがあるのではないかということが疑われます。先ほど述べたように,父母からの情報でもそういう声が出ています。小学校3年生についても調査し,必要とする児童全てが利用できる対策をぜひお願いしたいと思いますが,答弁を求めます。 ◎教育部長(村田雅俊君) 先ほども私の答弁の中で申し上げましたが,児童の入会に当たっては保護者と運営者の間で十分協議しているということは認識しているところでございまして,先ほど御質問の中で抽せんという言葉がございましたが,入れるか入れないかの抽せんは原則しておりません。ただ,子供の数が多い地区につきましては,放課後児童会,児童クラブが複数ある地区が何地区かございまして,その複数の中でどこに入るかという抽せんをする場合はありますが,受け入れ条件を満たしている子供については抽せんではじくということは行っておりません。 小学校3年生以降の入会が減っている,少なくなっているということにつきましては,例えば習い事をやり始めるとか,スポーツ少年団の活動が始まるとかというケースもございまして減っている状況ではございますが,そうかといって受け入れ条件を満たしているのに入れないということがもしあるとすれば,それは市としてはゆゆしき事態だと思っておりますので,さっきの答弁で申し上げたとおり実態を調べまして適切な対応に努めてまいりたいと思っています。 ◆22番(鈴木正樹君) 質問でも申し上げましたように,実態さえつかんでいただければ市はかなり迅速にしっかりと対応していただいていると私も感じます。ぜひ実態をつかんでいただいて頑張っていただきたいということを申し述べて質問を終わります。 ○議長(奥島光晴君) 次に,2番 福野大輔君。 (2番 福野大輔君 登壇) ◆2番(福野大輔君) 一真会の福野大輔でございます。通告に従いまして質問いたします。 まずは,本市のPR活動について質問いたします。 本市では,昨年歌手の前川清さんを皮切りに,タレントのパックン,バレーボール選手の清水邦広さん,俳優の津田寛治さんの4人を観光大使として任命いたしました。観光大使の皆様は,それぞれの知名度や得意分野を生かしながら福井市内の観光資源を紹介し,観光振興とイメージアップを図っていただいているところです。 そこで質問いたします。観光大使が具体的に行ったPR活動は本市としてどの程度把握していますか。把握している観光大使のPR活動を具体的に教えてください。 また,本市として観光大使に対して具体的なPR活動を要請しているか,要請していく考えはあるか,御所見をお伺いします。 さて,本市は観光大使とは別に,昨年8月に野菜ソムリエの資格を持つ本市出身のモデル道端カレンさんを福井市ベジ大使に任命いたしました。観光大使は,現在男性のみの4人でありますので,華を添えるべく道端カレンさんも観光大使として適任と考えますが本市の御所見をお伺いします。 また,今後さらに観光大使をふやしていく考えはあるか本市の御所見をお伺いします。 さて,昨今新しい情報発信の一つとしてユーチューブがございます。このユーチューブに頻繁に動画を投稿し多くの視聴数を稼ぐユーチューバーの存在が昨今さまざまな方面で取り上げられております。人気ユーチューバーは毎日動画を作成,投稿しており,その動画の再生数も1本当たり数十万回から多いものでは数百万回を稼いでおります。自分自身のチャンネルを持ち,いろいろなしがらみなどを気にせず情報発信できるユーチューバーは既存のタレントとは違う強みがございます。御存じかもしれませんが,チャンネル登録者が100万人を超える福井在住や福井出身の人気ユーチューバーも存在します。彼らの作成した動画の一部を紹介させてもらいますと,スキージャム勝山に旅行した動画が約48万回再生,芦原温泉に夫婦で旅行した動画が約42万回再生,福井テレビまつりにユーチューバーが出演した動画が約49万回再生と,地元福井に関連した動画がかなりの再生回数を稼いでおります。比較対象としまして,参考までに福井県が制作した剛力彩芽さん主演のユーチューブで公開したドラマ「夢叶う,福井県」の再生数は約18万回でございます。ドラマ自体はとてもおもしろく,ドラマ制作のために福井県もそれなりにコストをかけているはずでありますが,再生数はユーチューバーが作成,投稿した地元福井関連の動画の半分以下でございます。コストパフォーマンス的にも芸能人を起用するだけではなく,ユーチューバーを活用したPR方法を今後考えてみてもいいのではないかと考えます。 このように大量の再生数を稼ぐユーチューバーに,例えばハピテラスで開催しているイベントに参加してもらう,越前時代行列やフェニックスまつりに参加してもらう,一乗谷朝倉氏遺跡,養浩館庭園等の観光地やふくい鮮いちば等に行って楽しんでもらい,福井の食,酒等のPRをする,またUターン施策の一環として福井の企業で1日体験社員として働いてもらったり,工場見学をしてもらうといったことを動画として投稿してもらえば,観光に限らず本市のPRに大きくつながるのではないかと考えます。 そこで質問いたします。ユーチューバーに本市に関する観光PR等に協力してもらえるように働きかけてみてはと考えますが,本市の御所見をお伺いします。 次に,U・Iターン施策について質問いたします。 本市では,2年前よりふくいU・Iターンサマーキャンプを行っております。サマーキャンプの内容としましては,企業見学や企業経営者との座談会,福井へのU・Iターン経験者との交流などを通して,福井の企業や福井で働くことの魅力を知ることや,福井へのU・Iターン就職に関するプランを提案するといったことが行われています。 さて,2年前の9月定例会の予算特別委員会で私がサマーキャンプについて質問して回答を得た内容の一つは,2年前当時のサマーキャンプに学生26人が参加し,その参加者のうちの15人が就職活動を控える大学3年生とのことでした。 そこで質問いたします。彼らは,ことし4月に新社会人になっていることかと思われます。2年たった現在,当時の参加者の進路結果はどのようであったのか,総括をお願いいたします。 次に,U・Iターンに関する金銭的な助成について質問いたします。 本市ではU・Iターン者が安心して働き続けられる雇用環境とするため,U・Iターン者を正規雇用した市内中小企業者等に対し奨励金を交付する福井市U・Iターン就職者正規雇用促進奨励金制度を設けています。対象労働者1人当たり12万円,1企業につき1会計年度当たり2人まで支給できるとのことです。さて,現在U・Iターン就職者正規雇用促進奨励金制度の申請数はどれくらいあるでしょうか。U・Iターン就職者正規雇用促進奨励金制度のようにU・Iターン者を採用する企業側に金銭的な助成をするのは確かに有益なことだと思われます。ただ,それ以上にU・Iターンをされる当事者に金銭的な助成をするのがより有益だと考えます。U・Iターン者は引っ越しを行うため一時的な金銭負担が大きいので,金銭の援助があると助かります。Uターンで実家で暮らす以外の方には何らかの支援があってもよいかと思います。福井市まちなか住まい支援事業のように一部U・Iターン者向けの支援もありますが,U・Iタ一ン者に限ってはまちなか地区に限らず支援してもよいのではないかと考えます。例えば,勤め先が郊外である場合,まちなかに住むことが逆に不便になり,職住近接の考え方からも郊外に住みたいと考える方も大勢いるかと思われます。本市のU・Iターン当事者に対する金銭的な補助に関して御所見をお伺いします。 次に,U・Iターン者向けの本市の情報サイトについて質問いたします。 U・Iターンを考えている方にとって,就職・転職に関する福井の企業情報を得ることがとても重要です。私自身がU・Iターン希望者になったつもりで各種情報サイトを検索してみました。まず,福井県が設置したサイト,ふくいUターン就職ネットにおいてですが,福井市と永平寺町の両市町を含む地区で求人情報の検索をかけると約200件の求人情報がありました。しかもそのほとんどが正社員採用によるものでした。次に,本市の福井市企業情報紹介サイトふくいおしごとネットを検索してみたのですが,ホームページ内の求人情報を調べてみますと,けさの時点でトータル16件しかなく,しかも正社員採用に関するものはそのうち4件のみでした。これでは,U・Iターン希望者に対して福井市の企業情報を得たいという需要に応えるには十分ではないと考えます。本市のホームページに求人情報を充実させるのも一案ではございます。ただ,せっかく県のホームページで大量の求人情報が得られますので,例えば県のホームページにリンクで飛べるようにするなどしたほうがU・Iターン者にとって有益であると考えますが,御見解をお聞かせください。また,ふくいおしごとネットの中にふくいU・Iターンサマーキャンプの実施案内や福井市まちなか住まい支援事業の案内など,U・Iターン者にとって有益な情報を盛り込むべきであると考えますが本市の御所見をお伺いします。 最後に泰澄大師について質問いたします。 泰澄大師は白鳳12年,西暦682年に現在の泰澄寺のある麻生津地区の三十八社町にお生まれになりました。泰澄大師は寺院を建てて仏教の力によって人々の後世に念を養われ,また一方では,道や山を開き,川溝を掘り,橋をかけるなどして産業の発展,交通の便を図るなど幅広い活躍をされ,越の大徳と称されております。北陸地方にまたがるあの白山も泰澄大師が開山したことで広く知られているところでございます。福井市に身近なところでは文殊山を開山したことでも知られております。 さて,泰澄寺は泰澄大師生誕の聖地として信仰を集めたことで寺運が隆盛し,境内には36の建物が建立されました。その後,戦国時代に織田信長の兵火により多くの堂宇,寺宝,記録などが焼失し,その後衰退します。境内には大師の産湯の池,雷の池,駒の爪,座禅石,白山権現社,大師堂など泰澄大師ゆかりの史跡が点在し,泰澄大師が愛用したと伝わる鉄鉢を所有,本尊である十一面観音像は天平8年,西暦736年に泰澄大師みずから彫り込んだものを安置したと伝えられています。 さて,このように泰澄大師がお生まれになった地にある泰澄寺は文化的にも非常に高い価値があるのですが,泰澄寺の歴史的,文化的価値をPRしていくことに関して本市の御所見をお伺いします。 また次に,泰澄大師が開山した文殊山について質問いたします。 文殊山の歴史,自然等についてひもといてみますと,越前五山は文殊山,白山,日野山,越知山,吉野ヶ岳がありまして,その一つが文殊山であります。五山の中心に位置し,重要な山と位置づけられております。また,福井市にただ一つ位置する越前五山でございます。標高は365メートルで,泰澄大師が養老元年,西暦717年に開山以来,信仰の山として親しまれております。そして,豊かな自然が現在も山いっぱいに広がり,絶滅危惧種のヒロハノアマナ等の植物589種が確認されており,カタクリ,ツバキの群生地でもあり,国の特別天然記念物のニホンカモシカ等の野生動物も生息しております。このように歴史もあり,また自然も豊富な山であります。 この文殊山の登山道ですが,二上コースや大村コース,角原コースなどがございます。二上コースや大村コースは駐車場やトイレが整備されて登山客にとって大変登りやすくなっておりますが,泰澄大師がお生まれになった麻生津地区からの登山ルートである角原コースは整備が進んでいないのが現状でございます。角原コースは大文殊まで最短で登れるコースですが,多少険しく登りごたえのあるコースでございます。地元の足羽中学校でも数年前まで文殊山競歩大会ということで角原コースで文殊山を登山しておりました。このように魅力のある文殊山角原コースですが,本市の今後の整備計画,特に駐車場等の整備について御所見をお伺いします。 以上をもちまして私の総括質問を終えます。御清聴ありがとうございました。 (副市長 山田義彦君 登壇) ◎副市長(山田義彦君) 泰澄大師についてお答えいたします。 泰澄大師生誕の地でございます泰澄寺は,ことし白山開山1,300年を迎えまして,その歴史的,文化的価値をさらにPRしていくべき場所だと考えております。市の郷土歴史博物館では,昨年10月から11月にかけまして「ふくいの仏像 白山を仰ぐ人々と仏たち」と題しまして,県の指定文化財でございます泰澄寺の木造僧形坐像ほか泰澄大師にゆかりのある34点の仏像等を展示する特別展を開催させていただきました。同博物館では,ことし10月から12月にかけまして,館蔵品ギャラリー「開山1,300年記念 福井市の霊山 文殊山」で泰澄大師と泰澄寺について紹介をしてまいります。また,ことしのふくい春まつりでは,泰澄寺を出発点といたしました「泰澄大師ゆかりの地と福井の秘仏を巡るバスツアー」の募集を行いましたところ,定員を超える申し込みがございまして人気を博したところでございます。白山開山1,300年の節目の年を契機といたしまして,本市の魅力ある歴史遺産でございます泰澄寺及び泰澄大師を多くの方に知っていただけるようにPRに努めてまいりたいと考えております。 次に,文殊山角原コースの駐車場整備についてお答えいたします。 現在のところ,本市では文殊山角原コースの駐車場を整備する予定はございません。しかし,文殊山に北陸新幹線のトンネルが建設されることから,角原コースの入り口周辺に工事のための資材置き場等が整備される予定でございます。工事完了後にその資材置き場等を駐車場として利活用できないか,新幹線の整備を行っております鉄道・運輸機構へ働きかけてまいりたいと考えております。 (商工労働部長 港道則男君 登壇) ◎商工労働部長(港道則男君) 初めに本市のPR活動についてお答えします。 まず,観光大使についてですが,福井市の魅力的な観光資源を広く紹介し,観光振興とイメージアップにつなげるため,情報発信力のある福井ゆかりの著名人の方に委嘱しています。具体的なPR活動についてですが,前川氏には5月のコンサートの中で福井市の観光大使であることを紹介いただきました。パックンには本年1月に読売新聞の連載「Cool Fukui」で本市の魅力を紹介していただいており,またことしのふくい春まつり越前時代行列にも参加していただいております。清水氏には,JR西日本が発行する「西Navi」の1月号,そのほかツイッターなどで,また津田氏には2月のNHKのテレビ番組「さらさらサラダ」に出演して市のPRをしていただいております。また,前川氏とパックンは昨年11月に開催した首都圏の飲食店で本市の食材を使ったメニューを提供するイベント,福井市フェアにビデオメッセージをいただいています。今後の予定としては,今月28日に東京で行われる福井市応援隊ミーティングにも津田氏,パックンが参加し,前川氏からはビデオメッセージをいただくことになっています。 次に,道端カレンさんについてですが,昨年6月に坂井市で直接お会いし,観光大使の就任を依頼させていただきましたが,本人からベジ大使の活動に専念したいとの申し出がありました。観光大使の委嘱につきましては福井ゆかりの著名人でふさわしい方がいないか検討し,就任していただくよう働きかけてまいります。 次に,ユーチューバーへの観光PR依頼についてですが,ことし3月のふくい春まつりの関連イベントである幕末明治福井150年博プレイベントにおいて,福井市立郷土歴史博物館長と福井にゆかりのあるユーチューバー,カズさんによるトークショーが行われ,話題になりました。福井にゆかりのあるユーチューバーの方に観光PRに御協力いただくことで本市の魅力がさらに多くの方に伝わると考えております。今後もユーチューバーの方に本市の旬の観光情報を提供し,各種イベント等への参加依頼について検討してまいります。 次に,U・Iターン施策についてお答えいたします。 初めに,ふくいU・Iターンサマーキャンプの総括についてですが,平成27年度に開催したキャンプに参加した当時大学3年生15人の進路結果は,ことし4月に3人が市内企業に,3人が県内企業に,5人が県外企業に就職,2人が県外大学院等に進学しており,残りの2人とは連絡がついておりません。 次に,福井市U・Iターン就職者正規雇用奨励金についてですが,この奨励金の申請数は平成27年度3件,平成28年度10件,平成29年度は5月末現在で1件です。 次に,県のホームページとのリンク,それからU・Iターン者にとって有益な情報を盛り込むべきについてでございますが,本市のふくいおしごとネットは県外の学生に対して市内企業の情報を提供し,就職活動に役立てていただくためのポータルサイトとして平成22年7月に開設しており,県が学生向けに開設した就職支援サイト「働くなら,福井」にリンクしています。そのほか,本市ではU・Iターンの希望者向けに就職支援,移住に際しての助成制度,子育てに関する情報などを一元化した福井市定住促進ポータルサイト,住まいるふくいを開設しており,このサイトは県のふくいUターン就職ネットにリンクしていることから,県内のU・Iターンに関する情報も取得することができます。今年度内にふくいおしごとネットに企業で働くイメージや雰囲気が伝わりやすい動画を組み込むための改修を実施することから,この改修にあわせて住まいるふくいとリンクしてまいります。あわせて,ふくいUターン就職ネットとリンクできないか県と協議を進めてまいります。今後も本市へU・Iターン就職を希望する方に対し,就職に関する情報を的確に発信し,市内企業への就職者の増加を図ってまいります。 (建設部長 竹内康則君 登壇) ◎建設部長(竹内康則君) U・Iターン施策のうち,本市の住宅に関する助成金についてお答えします。 U・Iターン世帯への支援は,まちなかで新たに借家やアパートに居住された若年夫婦世帯へ家賃の補助1万5,000円のところ,U・Iターン世帯に限っては2万5,000円に引き上げて補助を行っております。市内全域を対象としては,U・Iターン世帯のうち,若年夫婦世帯や子育て世帯の住宅取得に対して本市独自に50万円の補助を行っております。また,直系親族と同一小学校区域内に近居するための住宅取得に対しましては,補助金50万円のところU・Iターン世帯にはさらに本市独自に20万円の加算を行っております。今後も,U・Iターンの就職者が住宅支援を活用して移住・定住していただけるように結婚式相談所や東京事務所及び就職相談会などで広報するなどして事業の周知を図ってまいります。 ◆2番(福野大輔君) 自席にて1点だけ要望します。ふくいU・Iターンサマーキャンプなんですけれども,2年前に参加された当時大学3年生の15人のうち,実際県内の就職者数は市内に3人,県内に3人だったということで,なかなか数字的には厳しいかなというのがあります。ただ,やはり取り組み自体はすばらしいことだと思いますし,こういうふうにU・Iターンで県外の学生や県内の学生に広くこの福井の企業を知ってもらう,福井に住むということを知ってもらうことは大変重要なことと思いますので,この結果などもまた十分考慮しまして,改善,改良を加えていってほしいなと思います。 ○議長(奥島光晴君) ここで暫時休憩いたします。午後1時から再開します。             午前11時46分 休憩──────────────────────             午後1時1分 再開 ○議長(奥島光晴君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 一般質問を続けます。 5番 池上優徳君。 (5番 池上優徳君 登壇) ◆5番(池上優徳君) 一真会の池上優徳でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。 本市の教育についてお伺いいたします。 我が国の教育の歴史を振り返りますと,我が国で最初に成文化された教育制度というのは,701年の大宝律令であると言われております。以来,室町時代には上杉氏により保護を受けて儒学を教え,地方武士や有力者が寺で子供たちに教育を始めた足利学校があります。江戸時代には各藩に藩校がつくられ,寺子屋では町人や百姓の子供に読み書きそろばんを教えておりました。江戸時代後期には,約270の藩校と数万の寺子屋が存在したと言われております。約260年間続いた徳川幕府は,幕藩体制のもとで安定と平和を享受し,この間国民はかなり高い水準の文化的成熟をし,識字率も当時としては,世界的に高い水準にあったようです。公的な教育機関を初め,私塾や庶民層のための学習の場など伝統的な教育機関がかなり普及し,茶道や華道,音楽の稽古の流行など教育熱心な国民性の基盤がこのころより既に形成されておりました。 長らく日本を支配してきた武士の時代から,1868年には天皇を頂点とする新しい政権が誕生し,明治維新とともに日本の近代化が開始されました。それと同時に,西欧諸国をモデルとした近代的な教育システムが導入され,短期間のうちに急速な発展を遂げることとなりました。1920年ごろまでには,近代的な教育システムはほぼ完成するに至ったと言えます。そして,1945年の敗戦後から1951年まで,日本は連合国によって占領され,新憲法のもとで教育改革に着手し,教育基本法が制定されました。次いで,学校教育法,教育委員会法,社会教育法,私立学校法などが制定され,戦前とは違う形の教育システムが形成されました。 以上のように,今の日本では小学校6年間,中学校3年間の合計9年間が義務教育の期間であるというのは基本的なことでありますが,今の義務教育は,幾つかの段階を踏んでやっとたどり着いた教育システムと言えます。 そして,昭和22年に制定された教育基本法も,社会や教育を取り巻く環境が大きく変わり,60年後の平成18年に全面的に改正されました。人格の形成や個人の尊厳など,普遍的な理念は大切にしつつ,「知・徳・体の調和がとれ,生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間」,「公共の精神を尊び,国家・社会の形成に参画する国民」,「我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人」の育成を基本理念に明示し,また,第17条では,地方公共団体は,「その地域の実情に応じ,当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。」という条文が新設され,それを受けて本市も福井市教育振興基本計画を策定しました。それが平成28年度をもって終了するに当たり,基本計画の改定を行ったところです。 もともと本市の子供の教育環境は,子供の人格形成と学力向上を真剣に考え,熱意ある教職員がそろった学校教育,子供は地域の宝であるとの意識の強い地域教育,基本的生活習慣は家庭で身につけさせようとする家庭教育の三位が協力してきており,以前から充実したものであったように思います。それが全国学力・学習状況調査で上位になるという結果につながっていると私は思っております。 しかしながら,昨今は,多忙化により子供と向き合う時間がなかなかとれない教職員の増加や子供の取り合いになりつつある地域行事,兄弟が少ないため1人にかける意識や時間が多くなり,過保護,過干渉が問題となっている家庭など,その環境が少しずつ崩れ始めております。ここで大きなかじ取りをしなくてはならないという意味においても,教育振興基本計画の策定は大きな意味を持ち,それぞれが共有し実行していくことが,本市の子供の未来を明るくすることではないかと信じております。 人口減少,少子・高齢化が本格化し,大学全入時代に進学先の少ない福井がとりわけ喫緊に取り組むべき課題は,若者の人口流出を食いとめることではないでしょうか。そのためのキャリア教育の推進やふるさと福井への誇りや愛着を持つことへの取り組みには,関係機関,関係団体と協力して全力で取り組んでいただくことを強く要望いたします。 そこで,この教育振興基本計画について幾つか質問をいたします。 まず,本市の全国学力・学習状況調査結果が上位となった要因をどのように分析しているのか。また,全国的に教育力強化に本腰を入れている自治体がある中で,本市の強みでもあります全国トップクラスの教育環境をどのように維持,上昇させていくのかをお伺いいたします。 次に,ICTを活用した授業の実施に向けて,ただでさえ多忙な教員がどのようにスキルアップを図るのかお伺いいたします。 そして,子供の教育には,学校,地域,家庭の連携は不可欠と言われておりますが,中でも家庭教育力の低下が社会問題となっております。過保護や過干渉な保護者が急増している中で,家庭教育力の充実を図るための具体的な施策についてもお伺いいたします。 最後に,私の自論ではございますが,教育とは,いつの時代でも人間として生きていく上で必要な普遍的な価値を身につけること,また,その時代時代を背景に,産業や社会の発展に寄与するすべを身につけること,そしてこの2つのバランスが保たれていることだと思います。教育とは何か,教育長のお考えをお伺いいたします。 次に,IoT,AIの発展とこれからの義務教育についてお伺いいたします。 最近,新聞等で毎日目にする言葉が,IoTとAI,そしてビッグデータです。 IoTとは,モノのインターネットの略で,家電家具,住宅,道路,建築物,衣服,農工業機器など,あらゆる物体にセンサーが付随しインターネットとつながることで相互作用を行い,より私たちの生活を便利にする概念を指します。 AIとは人工知能のことです。近年AIが盛り上がりを見せている背景として,AI業界のブレークスルーであるディープラーニングという解析手法が2012年に編み出されたことが発端としてあります。 これは,コンピューターみずからがさまざまな物事を「これは何であるか」を認識できるようになる技術であり,人が教えなくても機械にデータを見せていくことで,コンピューター自身が物事を学習していくことが可能になります。 ビッグデータとは,通常のデータベースでは扱えないほど巨大なデータのことで,データの発生元は,フェイスブックやツイッターなどのSNS上で日々大量に発信される情報や,スマートフォンのGPS情報などが挙げられます。今後,家電製品を初めとするあらゆる製品にIPアドレスが振られるようになれば,各製品のセンサー情報,監視カメラなどの情報も含め,爆発的なデータが発生いたします。これらにより,人々の個別の行動パターンをこれまで以上に詳細にリアルタイムで解析することができるようになり,渋滞解消や省エネルギーなど,社会的,環境的な課題の解決にも役立てることが可能になります。 実際に,このIoTの活用はビジネス分野では進んでおり,例えば小売店に設置されているセンサーは人々の行動を測定し,お客さんがどの商品を見たり,手にとったり,棚に戻したり,買ったりするかを把握しています。また,欧米の配達業者は,アメリカ国内を走る自社の車両6万台の状況をリアルタイムで常時把握し,そのビッグデータを処理することでどの経路がもっとも早いか,車両の故障や劣化の兆候はないかをインターネットを通じて認識しています。情報を取得するセンサーはもちろん,その情報を相互接続するネットワークと,処理するビッグデータ技術,そして,AIとのかけ合わせで大きな価値を発揮するIoTですが,まず私たちがその恩恵を目に見えて感じられる代表的なものが,自動車の自動運転になると思います。 このように,全ての機器がインターネットにつながり,ビッグデータを駆使しながら,機械同士が連携するだけでなく,機械と人間とが連携して動くことを第4次産業革命と呼び,人口減少社会に対応する有効な手段であると言われております。 しかし,このことに危機感を募らせている意見もあります。これらの技術が発展することにより,IoTやAIで代替する仕事の範囲が格段と広がり,私たちの担う役割が変わってしまうからです。株式会社野村総合研究所がイギリスのオックスフォード大学と行った共同研究によれば,国内601種類の職業について,それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算した結果,10年後から20年後には日本の労働人口の約49%がついている職業において,代替することが可能との推計結果が得られたとのことです。また,経済産業省は人工知能やロボットなどの技術革新によって,何も対応しなければ2030年度には国内雇用が労働力人口の約1割強に当たる735万人も減るとの試算を発表いたしました。日本が最も得意とする物づくり分野で,AIやロボットを活用したビジネスの根源を海外企業に握られてしまえば,日本企業の下請化が進んで,賃金の高い仕事が国内から流出してしまいます。経済産業省は,日本が第4次産業革命を主導するために,規制や教育の改革,業界の枠を超えた企業連携などを進められれば,雇用の減少は161万人に抑えられると発表いたしました。 このような技術革新が急速に進む中で,世界全体でも新たに,これからの世界を生き抜くために必要な力を考える動きが生まれました。アメリカやオーストラリアなど6カ国の政府と大学,産業界が協力して組織されたATC21sによって21世紀型スキルが定義され,注目されております。21世紀型スキルとは,思考の方法として創造性,批判的思考,問題解決,意思決定と学習,仕事の方法としてコミュニケーション,コラボレーション,仕事の道具として情報リテラシー,ICTリテラシー,世界で生きる技術として市民性,生活と職業,個人的及び社会的責任としております。これらの定義から見ると,今まで学んできた学校教育だけではなかなか補えないスキルが非常に多いことがわかります。日本の教育は,確かに知識の習得を初めとした基礎教育にはすぐれています。世界の中でもトップクラスであることは間違いありません。しかし,その一方で,基礎教育以外に必要とされるスキルがこのように定義され,そしてそれらが日本の学校教育では十分に身につかない状況であることは,大きな課題だと言われております。 IoTやAIが苦手な分野である創造性,批判的思考力,微妙な感情を理解し対応する能力,高度なコミュニケーション能力などや,情報リテラシー,ICTリテラシーなどIoT,AIを利活用できる能力を兼ね備えることが,機械に支配されない,機械に雇用を奪われないためのこれからを生き抜く力ではないでしょうか。世界各国では,この21世紀型スキルを子供たちが身につけることができるようさまざまな工夫がなされております。我が国でも,このたびの学習指導要領の改訂により,新たな時代の教育として取り組み始めていますが,いまだ知識偏重型の教育,評価,昔ながらの受験制度から抜け出すことができていないようです。 また,21世紀を生きる新たな教育と同時に,いつの時代でも生き抜くための普遍的な価値として,主体的に生きる,多様な人々と生きる,協力して生きる,感謝して生きる,誇りを持って生きるなど,技術の進歩があろうが,グローバルな社会になろうが,AIなどの機械とは違う人として生きるために必要な教育もしっかりと取り組むべきではないかと思います。その点においては,このたびの学習指導要領の改訂により,道徳が教科化されたことは大いに評価したいと思います。 そこでお伺いしますが,IoTやAIの進歩は,人口減少による労働力不足を補うための有効な手段と思うか,労働の機会が多く失われる危機的な状況と思うか御所見をお伺いいたします。 次に,IoTやAIの発展はこれからの働き方を大きく変えていくと言われておりますが,そのことを踏まえ,次代を担う子供たちの義務教育のあり方が変わっていくのかどうかお伺いいたします。もし変わっていくのであればどう変わるのかをお伺いいたします。 最後に,過去を見ても産業革命と教育は深い関係にあると思いますが,第4次産業革命は教育にどのような影響を与えると思うか。以上をお伺いいたしまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (教育長 内田高義君 登壇) ◎教育長(内田高義君) 本市の教育についてお答えいたします。 初めに,全国学力・学習状況調査の結果が上位となった要因についてですが,まず教育の原点である家庭がしっかりしており,これまでのよい文化や規範が次の世代へ確実に継承されてきたことが挙げられます。また,熱心で質の高い教職員の指導のもと,いろいろな活動に真面目に取り組む子供たちの姿,そして規範意識が育っていることなどが全国に誇れる福井の教育の基盤になっています。さらに,学校と家庭,地域が連携しながら子供たちを見守る環境も整っています。このような教育環境の中で,子供たちも教職員も何事にも一生懸命取り組み,当たり前のことが当たり前にできること,そしてその当たり前のレベルが高いことが福井らしさであり,このことが常に全国トップクラスの学力や体力,豊かな心の育成につながっていると認識しています。こうした本市のよさ,福井らしさを大切にしながら予測困難なこれからの社会を生き抜いていく子供たちに必要な力を身につけさせたいと考えております。 次に,本市の教育環境の維持向上についてお答えします。 本市では,毎年全国学力・学習状況調査の結果を分析して,授業を改善するための方法等をリーフレットにまとめ,学校に送付しております。各学校では,そのリーフレットを参考に課題と対応について分析,研究し,校長の学校経営方針であるスクールプランや,学力向上プランに反映させるとともに,教職員が共通理解を図りながら指導法の改善などの具体的な取り組みを進めております。そして,校長を先頭に教職員が一丸となって一人一人の子供たちの学力や人格の形成に取り組んでいます。このような教職員の団結力は,福井の学校文化のよさの一つでもあり,教育の質を高めることにもつながっています。これらのことを大切にして,これからも福井市の子供たちの学力や教育環境の維持向上に努めてまいります。 次に,教員のスキルアップについてですが,福井県の教育総合研究所の講座や市の課題別研修等でICTを活用した研修を行い,機器の使用法や効果的な活用法等を学んでいます。また,全ての小学校にはタブレット端末が導入されており,多くの教職員がふだんから授業で使えるよう,タブレット端末を使った授業を通常の授業においても公開しており,その後の研究会等で意見交換をしながらスキルアップも同時に図っております。 次に,家庭教育についてお答えします。 家庭は,子供にとって一番安全・安心で,心安らぐ場であり,そこで育まれる家庭教育は全ての子供にとって教育の出発点であると認識しております。基本的な生活習慣を身につけさせるとともに,家族を大切にする気持ちや,他人を思いやる気持ち,命の大切さや善悪の判断,そして子供の豊かな情操や自立心などを育てる上で大変重要な役割を担っております。価値観の多様化に伴い,家庭や家族のあり方も変化してきましたが,子供は親の後ろ姿,大人の後ろ姿を見て育っていくことはいつの時代も同じです。そして,よくも悪くも環境に大きく左右されて育っていきます。そこで,今回新たに策定しました本市の教育振興基本計画におきましても,子供,学校だけでなく家庭,地域と連携して育てていくことの大切さを方針の1番目に取り上げました。家庭・地域・学校協議会において,地域全体の教育や子育ての方針,そして学校運営の基本方針等を共有し,連携してそれぞれの教育力を発揮した活動を推進することとしたところでございます。例えば,学習時間やネット利用の時間など,共通のルールを中学校区等で策定し,各家庭でのルールづくりなどに役立ててもらえるよう,その情報を提供して家庭教育への支援を行っております。 次に,教育とは何かということですが,教育とは,いつの時代も変えてはいけない不易の部分と,時代の変化に積極的に対応し,変えなければならない流行の部分を見きわめ,一人一人の児童・生徒の生きる力をバランスよく育てることだと思っています。池上議員は,今ほどいつの時代でも人間として生きていく上で必要な普遍的な価値を身につけることと,それぞれの時代を背景に産業や社会の発展に寄与するすべを身につけること,この2つのバランスが保たれていることが教育であるとのお考えですが,私もそのとおりでございます。しかし,そこにもう一つ私はたくましく生きるための健康な体力,たくましく生きるための健康な体力を加えさせていただいて,やはり生きる力のもとになります知育,徳育,体育,この3つをバランスよく調和的に発展させていくことであると捉えているところでございます。 次に,IoTやAIの発展と,これからの義務教育についてお答えします。 まず,IoTやAIの進歩についてですが,その進化は目覚ましく,それらで代替できる仕事の範囲が着々と広がり,人との役割分担が変わってきております。有効な手段である一方で,今ある仕事の半数以上が自動化されると言われるほど労働の機会が失われる可能性もあります。IoTやAIでは補えない分野,例えば想像力,抽象的な論理の思考力,微妙な感情を理解し対応する能力,高度なコミュニケーション力は人間の強みであり,これからも学校教育がそれらの能力を育てていくものと考えております。 次に,義務教育のあり方についてお答えします。 予測困難な時代を迎える中で,次期学習指導要領ではIoTやAIの進歩によりプログラミング教育が注目され,学ぶ内容や学び方,さらには教え方も変化していきます。しかし,次代を担う子供たちが未来を切り開いていくための基盤となる心の教育や規範意識など,いわゆる道徳的な面はこれまでと変わらず,むしろこれまで以上に不易の部分として家庭や地域と連携してしっかりと育てていく必要があると考えております。また,これから子供たちに求められる資質,能力を育む授業改善などは,これまでの教育実践の蓄積をしっかりと引き継いで継続してなされるもので,これまでと全く異なる指導方法を導入しなければ指導できないということではありません。したがいまして,福井の先生方には自信を持ってこれまでの経験を生かし,新しい学習指導要領に取り組んでいっていただきたいと思っております。 最後に,第4次産業革命による影響についてですが,社会の変化は加速度を増し,複雑で予測困難となっており,どのような職業や人生を選択するかにかかわらず,全ての子供たちの生き方に影響するものと考えております。学校は,今を生きる子供たちにとって未来の社会に向けた準備の段階の場であると同時に,現実の社会とのかかわりの中で毎日の生活を築き上げていく場でもあります。その中で,子供たちの健やかな成長と自己実現を目指して学習を行っております。今後は,そのような学校の役割を変化する社会の中に位置づけて考えていくことが重要となってくると予想されます。したがいまして,木は根に支えられ,人は社会に支えられるという言葉もありますように,これからの子供たちの未来を家庭も地域も学校も一つになって,社会全体で,福井市全体で支えていかなければならないと考えております。 ○議長(奥島光晴君) 次に,3番 菅生敬一君。 (3番 菅生敬一君 登壇) ◆3番(菅生敬一君) 公明党の菅生敬一でございます。通告に従って質問をさせていただきます。 初めに,ふるさと教育について質問いたします。 東村市長の第3期目がスタートしてから1年半がたとうとしています。市長は3期目のビジョンの中に「一乗谷朝倉氏遺跡をはじめとする歴史遺産や伝統芸能,今日に大きな功績を残した偉人など,歴史文化資源に「みて・きいて・ふれる」機会を提供し,ふるさと「ふくい」に対する誇りと愛着を醸成します。」と書かれました。ふるさと教育については,これまでも何人もの議員が質問し,幾度となくその意義についてお答えいただいております。また,今年度からの5カ年計画でスタートした福井市教育振興基本計画でも方針の2として,重点項目にされています。 そこで,まず「みて・きいて・ふれる」機会の提供の例について,具体的にこれまでどのようなことがあったのか,また,今後どのようなことを予定しておられるのかをお聞かせいただければと思います。 さて,今回私は,福井の偉人に特化してお伺いしたいと思います。私は出身が加賀市大聖寺で,福井市に移住したのは20年前です。ですから,ここにおられるほとんどの皆さんが御存じの福井の先人について,私は何も知らない状態でこの場に参りました。一から福井のことを学ぶことになったのです。そこで,いわゆるよそ者の観点から感じたことを少しお話ししたいと思います。 ことし3月4日に福井市男女共同参画市民フォーラムが行われ,防災士の岡本裕紀子さんが講演された際に,冒頭で大森房吉のことを話しておられました。多分その場におられた大多数の方はよく御存じだったのだろうと思いますが,私にとっては初めて聞く名前で,しかも地震学の父とも言われ,長生きしていれば日本人のノーベル賞受賞者第1号になっていたかもしれないような大人物が福井市出身だということを知って大変驚きました。ところが,この大森房吉について調べようとしても,どこに行けばよいかがわからないのです。ようやく旭小学校の中に新正義堂が整備され,そこに旭小学校に縁のある方たちの資料が展示してあり,その中に大森房吉の資料もあるということがわかりました。私が残念に思うのは,地理や歴史についてはある程度知ることはできますが,福井ゆかりの先人については,学ぼうにもその場が福井にはないように思うことです。あるいは,もしかしたらあるのかもしれませんが,どこに行けばよいのかがわからないのです。県立こども歴史文化館に行ってみても人物のパネルが並んでいるだけで,しかもほんの200字程度の説明しかありません。福井市立郷土歴史博物館も同じような展示で,幕末の人物以外はほとんど見当たりません。というか,幕末の偉人がすご過ぎて,ほかまで手が回っていないのでしょうか。むしろ,福井の先人のことを調べようと思ったら,中学生向けに県の教育委員会が発行した「ふるさと福井の先人100人」や,小学生向けに市の教育委員会が発行した「ふるさと福井の人々」の方がよほどよくわかります。特に「ふるさと福井の人々」は大変よくできていて,改めてここ福井市がすぐれた先人を数多く輩出しているのがわかります。しかし,これらは,普通は子供を通じてしか手に入らない。できることなら,これらの先人を体系的に学べる常設の展示や個人の記念館があればと残念に思わざるを得ません。 これは有力な観光コンテンツになり得る可能性も秘めていると思います。最近になって,あわら市は藤野厳九郎記念館を整備しました。越前市もかこさとし ふるさと絵本館をオープンさせました。ところが,福井市には個人の名前を冠したものは橘曙覧記念文学館とグリフィス記念館しかないように思います。ぜひ整備をしていただけたらと思い,質問をいたします。 1,今後,個人の名を冠した記念館,あるいは先人を体系的に学べる常設展示館を整備するお考えはありますでしょうか。 2,現在,幾つかの公民館ではそれぞれの地区に縁する先人を紹介するコーナーをつくっているところがあります。それらをわかりやすく整理して広報してはどうかと考えますが,どのように思われますか。また,その公民館での展示コーナーを充実させるために,市から金銭も含めたさまざまな協力をしていってはどうかと考えますが,いかがでしょうか。 次に放射線教育についてお伺いします。 東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故から6年がたちました。被災地では放射線量の低下に伴って徐々に避難指示区域が解除され,少しずつ住民が戻ってきている地域もふえてきています。しかし,この6年の間,一部のマスコミや有識者と呼ばれる人たちによって,故意なのか無知なのかはわかりませんが,放射線に関するさまざまなデマが拡散され,現地の復興や風評被害解消の妨げになっています。特に片仮名表記での「フクシマ」がいろいろな媒体で原発事故や放射能汚染と結びつける意味合いで記述されるようになってからは,あたかも福島県全体が汚染されているかのようなイメージが日本全国だけでなく世界にまで拡散され,風評被害と差別のもとにもなっています。つい先日も,双葉郡浪江町で山林火災が発生した際,インターネット上で「高濃度の放射性物質が飛散し,被曝のおそれがある」などとしたデマを発信した著名な作家がいました。それを真に受けてコラム記事にした地方紙もあったようです。実際には消火活動に当たった全員が線量計を身につけており,火災の前と後でほとんど空間放射線量に変化はなかったのですが,一たびこういうデマが拡散してしまうと多くの国民の頭に,やはり福島は危ないんだなという誤った認識がすり込まれてしまいます。昨年横浜市で発覚した原発いじめ事件も,ある意味ではこうしたさまざまなデマと無知によって放射線に関する間違った知識を子供たちが持ってしまったことも無関係ではないのではないかと考えます。 このような状況の中,福島県は昨年7月に福島県の環境回復と創造に向けた取り組みを行う総合的な拠点として福島県環境創造センターをオープンさせました。その中の交流棟であるコミュタン福島では,展示施設や360度全球型シアターを備え,身近な視点から放射線や福島の環境への理解を深めることができる施設となっています。私自身余りにも放射線に対して無知だと感じていたので,純粋に勉強したいとの思いから先日見学をしてまいりました。わずか1時間半ほどの滞在でしたが,多くのことを学ぶことができました。 放射性物質から放出される主な放射線には,アルファ線,ベータ線,ガンマ線があり,このうちアルファ線は陽子が2個の粒子線で,数センチしか飛ばない上に紙1枚でも遮ることができること。ベータ線は電子の粒子線で一,二メートル飛び,薄い金属板やプラスチックで遮ることができること。ガンマ線は波長の短い電磁波で,到達距離は長く,鉛やコンクリートでなければ遮ることができないこと。また,放射性物質は,あるときはアルファ線,あるときはベ一タ線,あるときはガンマ線を出しながら,最終段階に至るまでは絶えず違う物質に変化し続けていることなど。また,現在は福島県のほとんどの地域で空間線量が全く問題のないレベルにまで落ちついてきていて,いわき市のほうが福岡市よりも低い日もあることや,福島産のほぼ全ての農林水産物について放射線のモニタリング調査を行い,安全と確認されたものしか流通させていないことも展示を通して紹介していました。そして,私たちはふだんから宇宙や大地や食物からの放射線を浴び続けて生活しているが,線量が低いために全く問題ないことや,レントゲン,CT検査などによる被曝量もわかりやすく展示してあります。 オープンした昨年7月から12月末までの約半年間での来館者数は4万人にもなり,私が見学した日の午後には原発いじめ事件の当事者である横浜市の教育委員会が視察に来ていました。東京都でも今年度からこの施設を使って教員研修を行う予定だそうです。 幸いにして,福井県内では福島県から避難してきている方々に対しての原発避難いじめはないと県議会で報告されていましたが,多くの原発を抱え,関西電力高浜発電所4号機が5月17日に,そして同3号機が今月6日に再稼働した今,私たち福井県民は放射線に関する正確な知識を身につけていかなくてはならないのではないでしょうか。あってはならないことですが,もし万が一の場合には,今度は福井県が福島県と同じような風評被害に苦しむことになることを肝に銘じておくべきです。その意味では,県内にある原発に付随したPR施設は全くもってお粗末としか言いようがありません。公益財団法人福井原子力センターが運営している敦賀市の「あっとほうむ」でも原子力とエネルギーがメーンのため,展示内容がかつてうたわれていた原子力の安全神話の側に引きずられていて放射線の学習はほとんどできません。できることなら,福井県にもコミュタン福島のような施設が欲しいところですが,まずは教員がこの施設を活用して正しい知識を身につけていくべきと考えます。そして,原発に賛成とか反対とかでなく,冷静にサイエンスとして放射線を学べる環境が必要と考えます。放射線イコール原子力エネルギー,あるいは放射線イコール危険な物質という呪縛から抜け出す必要があります。 そこで,3点質問します。 1,次期学習指導要領では,理科の電気の学習に放射線が追加されたとのことですが,放射線教育の必要性についてどのように認識しておられますか。 2,現在福井市では,小学生あるいは中学生に対して放射線に関する教育は行われているのでしょうか。もし行われているのなら,全部で何時間くらい授業時間をとっているのでしょうか。お答え願います。 3,教員に対しての放射線教育に関する研修は行っていますか。また,今後コミュタン福島を活用した研修についてはどのように考えられますか,お答え願います。 次に,中学校で配られているパンフレットや小冊子についてお尋ねします。 現在,中学校には国,県,市あるいは各種団体などから,さまざまなパンフレットや小冊子が生徒に配付するようにと送られてきています。きょうはその一部を持ってまいりました。 まず,中学生もみんな消費者。これは福井市消費者センターが配付したものです。内容は,お金の使い方,契約について,インターネットやスマートフォンとのつき合い方です。 それから,わたしたちのくらしと税。これは県の税務課が配付したものです。内容は税金の仕組みと使われ方です。 今から始める選挙の準備。福井県選挙管理委員会の発行で内容は選挙制度の仕組みです。 15歳から学ぶマイナンバー。これは内閣府の発行。マイナンバー制度の仕組みを全て漫画で書いています。 いのちの贈りもの。厚生労働省の発行で内容は臓器移植についてです。 かけがえのない自分 かけがえのない健康。これは文部科学省の発行で,健康がメーンテーマで,ストレス,喫煙飲酒,薬物乱用,HIVなどの感染症についてわかりやすく説明しています。 薬害を学ぼう。これも厚生労働省の発行で内容はタイトルどおり薬害です。 それから,ハンセン病の向こう側。これも厚生労働省の発行で内容はハンセン病の歴史と人権についてです。 今お見せしたこれらの資料は,実際に私の子供が中学校でもらったものです。幾つかは保健や社会の授業で詳しく説明を受けましたが,あとは家で読んでおきなさいということで終わっているそうです。義務教育の根本の目的が,社会に出てから自立して生きていくために必要なすべを身につけさせることにあるとするならば,学問を教えるだけでなく,ここに挙げたそれぞれの内容についても,どれも大切なものばかりなのでしっかりと学んでおいてほしいとは思います。しかし,現状は通常の授業や学校行事で時間が目いっぱいとられていて,とてもそんな余裕はありません。特に社会科に関するものが多く,また,学校におりてくる時期もまちまちなので,大変使いづらいのが現状のようです。一方で,かけがえのない自分 かけがえのない健康という冊子は小学生版もあって,内容がとてもよいので,保健の授業で積極的に活用していたが,今年度から配付部数が減ってしまったので使えなくなってしまったということも聞きました。 そこで,3点質問します。 1,現在,このようなパンフレット類は1年で何種類くらい配付されているのですか。小・中学校それぞれお答えください。また,これらの活用について教育委員会は各学校にどのように指示をされていますか。 2,これらのパンフレット,小冊子を教材として利用することは,授業を充実させる手助けになる面もありますが,教員にとっての新たな負担にもなります。教育委員会としてこれらをきちんと交通整理して,例えば,必ず利用したほうがよいもの,教員の判断でどちらでも構わないもの,特に利用する必要はないと思われるものなどに分類して指針を示すことも必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。 3,国は今年度からがん教育の全国展開を始めるとのことですが,具体的な形はまだはっきりしていません。今後新たにがんについてのパンフレットが発行されることも考えられます。今やがんは2人に1人がかかる病気ですから,子供たちにとっても身近にがん患者がいても何の不思議もありません。しかし,教員がそれを教えることは大変ハードルが高いことでしょうし,ただパンフレットを読んでおいてねで済む話でもないと思いますから,外部講師を招いて授業を行うことも考える必要があります。現段階ではどのように進めていく予定をしておられるのでしょうか。お答え願います。 また,がん教育に限らず,防災教育やAED講習などで行っているように,教員に負担がかからないように積極的に外部講師を登用していくことについての見解をお聞かせください。 最後に働き方改革について質問いたします。一部,田中議員の質問と重複するところについては割愛いたします。 先ごろ発表された4月の有効求人倍率は,福井県でついに2倍となり,人手不足が深刻となっています。つまり,働き手が必要数の半分しか集まっていないということです。このままでは,サービスの低下や納期に間に合わないなどの弊害が心配されます。求人情報誌を見てもパート,アルバイトの時給は,二,三年前には考えられないほど高額になっており,テクノポートや越前市の大規模工場では1,300円から1,500円の時給を出すところもあるようです。しかし,ほとんどの中小企業では,現状の時給でも精いっぱいの水準であり,これ以上の賃上げは不可能と思われます。同じ福井県内でも労働力の奪い合いが起きていて,実際そのために休業や廃業を余儀なくされている事業所もあると伺っています。オンライン版の現代ビジネスでは,このままでは「人手不足倒産」も起きかねないのではと警鐘を鳴らしています。人手不足は,事業承継問題と並んで,中小企業にとっての大きなリスクとなっています。午前中の田中議員へのお答えにもありましたが,市もしっかりと注視しながら継続的な支援をお願いしたいと思います。 一方,経済産業省は,平成28年11月より「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」を設置し,兼業,副業の実態や優良事例の把握を行い,現状の課題及び官民がなすべき政策的方向性を検討してきました。 ことし3月には,働き方改革実現会議が働き方改革実行計画を取りまとめ,「副業や兼業は,新たな技術の開発,オープンイノベーションや起業の手段,そして第2の人生の準備として有効である。我が国の場合,テレワークの利用者,副業・兼業を認めている企業はいまだ極めて少なく,その普及を図っていくことは重要である。」として,柔軟な働き方がしやすい環境整備を加速させることを求めています。そして,5月31日には兼業,副業を実践している働き手や,兼業,副業を容認している企業の創業,新事業創出の事例集を取りまとめました。それによると,ロート製薬株式会社や株式会社ドン・キホーテなど積極的に社員の副業を後押しする会社も少しずつですがふえつつあるようです。 これは,今後国としては兼業,副業を奨励していこうというスタンスなのではないかと思いますし,人手不足を解消する一つの手段にもなり得るのではないかと考えます。 ところで,現在市の職員の中には,実家のお仕事を手伝っておられる方が何人もいらっしゃるとお聞きしています。農業,僧侶,神主など,これらは立派な兼業です。そこで一つ提案なのですが,介護や農業などの一部の職種に限って,職員の兼業を柔軟に認めることを試行してみてはいかがでしょうか。 時事ドットコムによると,神戸市はこの4月から,NPO団体など公共性の高い組織での職員の副業を推進するため,許可基準を新たに設けています。これは,公務で培った知見を地域貢献活動に生かすとともに,外部での経験を市民サービスの向上につなげるのが狙いだそうです。このような公務員の副業推進を目的に独自の基準を設けるのは大変珍しいことですが,この基準には,1,社会性や公共性が高い,2,特定団体の利益供与に当たらない,3,勤務時間外である,4,常識的な報酬額である,などが明記されているとのこと。これによって,ソーシャルビジネスの起業や,NPO団体での社会貢献活動に従事しやすくなる効果が期待できます。福井市でも導入に向けて検討するとともに一部試行的に実施してはどうかと思いますが,お考えをお聞かせください。 以上で総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (教育長 内田高義君 登壇) ◎教育長(内田高義君) 教育についてのうち,放射線教育についてお答えします。 まず,放射線教育においては,放射線について正しく理解することが重要であるとの認識をしております。 次に,放射線教育についての学校での状況ですが,現在中学校3年生の理科において,放射線の性質とその利用という内容で取り扱っており,3時間程度学習しております。また,平成26年3月には文部科学省から放射線教育副読本並びにDVDが各小・中学校に配付されました。副読本には,放射性物質や放射線,放射能といった知識だけでなく,福島の原子力発電所の事故から復興,再生に向けての取り組みも紹介しており,理科の学習の補助教材として使われております。 次に,教員に対しての放射線教育に関する研修についてですが,現在は実施しておりませんけれども,理科の教員が積極的に放射線教育を進められるように放射線を観察する装置や測定する器具を全中学校に配置しております。これによってどの学校でも放射線量の測定や,放射線の飛跡,すなわち放射線が飛んだコースの観察ができ,子供たちが実験を通して正しく理解できるように努めています。 次に,コミュタン福島を活用した研修についてですが,直接その施設で研修をするのは難しいと考えておりますが,福井にも新しくなった県の教育総合研究所,春江工業高等学校の跡でございますが,その中に放射線関係の実験機材が充実しており,サイエンスラボとして機能しているところです。今後,このような施設の活用や研究所が行う授業づくり研究等を通して教員の放射線教育に対する理解を深めるとともに,資質や能力の向上に努めてまいります。 次に,学校で配付されるパンフレット類についてお答えします。 1年間に教育委員会を経由して小・中学校に配付されるパンフレット類の種類は,小・中学校とも約50種類です。また,その活用についてですが,依頼時に具体的な使用場面を提示するなどして積極的に使うように指示する場合と,学校の実態に合わせて柔軟に使うよう指示する場合があります。いずれにしても教育委員会として妥当なものについて配付を承認しているところです。しかしながら,教育委員会を経由せずに小・中学校に直接送付され,教育委員会が活用について指示できないパンフレット類もあります。その場合,活用するかどうかについては校長が判断しています。なお,校長が判断できないときは教育委員会に相談するよう指導しております。 次に,がん教育についての進め方ですが,平成28年4月に文部科学省から出されました外部講師を用いたがん教育ガイドラインの中で,子供たちががんとがん患者に対する正しい認識を持つことを目指し,健康教育の中でがん教育を実施することが示されました。また,本年3月に公示されました次期中学校の学習指導要領におきましても,がん教育について取り扱うことが明記されたところでございます。現在,県の教育委員会においてがん教育に関する進め方などを検討しており,本年度は養護教諭と保健主事を対象に,がん専門医による研修が既に5月に実施されたところです。今後も県と連携を図りながらがん教育について進めてまいります。 次に,外部講師の登用についてですが,現在も防災教育では学校防災アドバイザー派遣事業を活用して避難訓練や危機管理マニュアル見直し等の指導助言を行っております。また,AED講習においては消防局の職員やNPO法人命のバトンなどの外部講師を活用し,AEDの使い方や心肺蘇生の方法について学習しています。今後も学校の要望に応じて外部講師を登用してまいります。 (教育部長 村田雅俊君 登壇) ◎教育部長(村田雅俊君) 私からは,ふるさと教育についてお答えいたします。 まず,「みて・きいて・ふれる」機会の提供については,市内各地区で地域と学校が連携して地元の文化や歴史,伝統産業を生かした取り組みを行っています。これまでの例としては,木田地区で木田ちその栽培,啓蒙地区で児童による結城秀康と芝原用水の演劇,清水東小学校でのすげがさづくり体験,鷹巣中学校での夜網節などの伝統文化継承がございます。 次に,今後の予定ですが,本年度からの学校教育方針を「地域に根差す『学びの一貫性』」としており,学校においては地域の行事や人材等,地域資源と教育内容とのつながりをより明確にした教育活動を充実させていきます。一方,地区公民館では,地域の歴史や文化等を学び,郷土の誇りを次世代に継承する郷土学習事業や,はつらつ伝承塾事業などを引き続き推進していきます。また,中央公民館においては,福井の偉人をより深く学べる福井学専門コースを充実させるなど,市民がふるさと福井に誇りと愛着を持てるよう取り組んでまいります。 次に,個人の名前を冠した記念館等の整備についてですが,本市には橘曙覧記念文化館とグリフィス記念館があります。また,郷土歴史博物館では,常設展示室において戦国武将や幕末,明治の偉人を中心とした紹介を行うなど,先人を体系的に学べる展示館としての役割を担っております。したがいまして,現在は新たな記念館等の整備計画はございません。しかしながら,福井ゆかりの先人の功績は本市の大切な財産であり,その伝承は市民の誇りの醸成にもつながると考えますので,今後は郷土歴史博物館の展示内容の充実を図るほか,企画展や特別展でより魅力のある紹介に努めてまいります。 次に,地区公民館での広報と展示についてお答えいたします。 現在,各公民館でこれまで行ってきた郷土学習事業などをまとめた福井市民の誇りガイドブックを制作中ですが,この冊子には各地区が誇る先人や公民館の展示コーナーの紹介も掲載されております。今後,公民館や小・中学校,図書館などにこれを配付するとともに,市のホームページにも掲載するなど情報発信に努めてまいります。また,各地区のまちづくり団体等が主体的に取り組んでいる地域の魅力発信事業においても,春山地区の松平春嶽公,橋本左内先生顕彰事業など,地域にゆかりのある先人を地区内外にPRする事業を展開しております。今後も公民館の展示コーナーをより充実し,多くの市民に知っていただくため,郷土学習事業や地域の魅力発信事業の取り組みを支援してまいります。 (総務部長 浅野信也君 登壇) ◎総務部長(浅野信也君) 働き方改革についてお答えします。 職員の兼業についてでございますが,市職員は地方公務員法の規定により任命権者の許可なく営利目的の企業をみずから営むことや,その役員になることなどが制限されております。一方で,任命権者の許可があれば営利企業等への従事が可能とされており,本市では福井市職員服務規程においてその要件を定めております。具体的には,職員が営利企業等に従事しても職務遂行上,能率の低下を来すおそれがないこと,営利企業と地方公共団体との間に利害関係を生じるおそれがないこと,かつ職務の公正,品位を損ねるおそれがないことが確認できる場合に営利企業等に従事することを認めております。これまでも,農業への従事や道路の清掃,草刈りなどに対して許可を行っており,今後介護など福祉分野での活動についても同様に許可要件の確認を行った上で適切に対応してまいります。 ◆3番(菅生敬一君) それでは,自席から少し要望と確認をさせていただきます。 まず,今し方の兼業,副業ですけれども,現状でも申し込んで許可を得られれば可能だと,どんどん申し込んでくださいと,構いませんよということでよろしいのでしょうか。 ◎総務部長(浅野信也君) どんどん申し込んでくださいというのではなく,そういういろんな活動をすることで地域に貢献できる場合におきまして,先ほど申し上げました要件等に合致すれば,そのような活動も勤務時間外ということではございますが,対応ができると考えてございます。 ◆3番(菅生敬一君) ありがとうございます。 それから,ふるさと教育に関連してなんですが,来年は明治維新150周年ということで,幕末から明治にかけて活躍した偉人を大勢輩出した福井市でも大々的にイベントを行う予定があると中村議員への答弁で御紹介をいただきました。同じような企画は鹿児島市や高知市など全国の他の市でも行っているようなので,他市に負けないように市民を巻き込んで盛大に行うとともに,他市との連携も模索しながら全国にも効果的な発信をしていっていただきたいと思います。 ところで,実はこの明治維新の年,1868年は岡田啓介,大森房吉と世界的な水晶の研究者である市川新松の生まれた年でもあります。特に岡田啓介と大森房吉は同じ旭小学校で学んでいて,机を並べていた可能性さえあります。残念ながら,大森房吉は関東地震を予知できなかった男というレッテルを貼られてしまってマイナスのイメージがついて回っているようですが,実際には東京がパニックに陥ったのを静めるために,地震予知責任者として取るべき行動をとったにすぎないとの見方もあります。また,そのことによって彼の研究成果はいささかも否定されるべきではなく,彼の名誉回復のために私たち福井市民がもっと顕彰し,発信すべきではないかとも思います。そこで,来年この3人の生誕150周年ということで,それを記念した企画展を郷土歴史博物館で行ってはどうかと思いますが,お考えをお聞かせください。 ◎商工労働部長(港道則男君) 今ほど福井市の3人の偉人の方についての企画展について御質問をいただきました。お一人は,福井県で最初の首相になりました岡田啓介氏,それから2人目は,今ほど議員からも御発言がありましたけれども,大森式地震計の発明で知られまして,我が国を代表する地震学者であります大森房吉氏,それから世界的な水晶学者の市川新松氏でございます。このうち,岡田啓介氏については平成28年に郷土歴史博物館におきまして,館蔵品ギャラリーのテーマ展ということで御紹介しております。また,大森房吉氏につきましても,平成27年にこれは自然史博物館の企画展,ノーベル賞を受賞した日本の科学者において郷土歴史博物館が所蔵している大森式地震計を公開いたしました。この両氏につきましては,郷土歴史博物館で関係資料を収蔵しておりますので,今後も展示して紹介していくこととしております。なお,市川新松氏については,養子に行かれたわけなんですけれども,その市川家が越前市ゆかりということもございまして,本市では関係資料を収蔵していないという状況でございます。越前市でいろんな企画展も行っているようでございますけれども,福井市としては今後市川新松氏について刊行物などで御紹介させていただきたいと思っております。 ◆3番(菅生敬一君) ありがとうございます。 それから,コミュタン福島に関してなんですけれども,私は行きまして,本当に感激しました。坂井市春江町の新しくできた教育総合研究所というのは,申しわけなくも見学してないので内容がわからないんですが,ぜひまず二,三人でも構いませんので実際にコミュタン福島を見ていただいて,その教育総合研究所と比べてどうなのかということで判断していただければなとも思います。また,新たな知見も得られるかと思いますので,これは切なる要望ということでお願いいたします。 それから,学校で配付されるパンフレット類ですけれども,先ほど小学校,中学校150部ずつとお伺いしました。積極的に使ったほうがいいものと,柔軟に対応するものということでしたけれども,積極的に使ってくださいというのは,その150のうちのどれぐらいあるんでしょうか。 ◎教育長(内田高義君) 今私の滑舌が悪かったのか,150ではなく約50です。失礼いたしました。小学校も中学校も約50ほど。これは,積極的に使うとか使わないとかということでございますけれども,もともと補助教材として配付されるもので,ある程度こちらでこれは補助教材としていいでしょうというものを許可してるわけです。その使い方についてはやはり教科書が中心でございますので,この教科書を使って授業をして,それを補うためにこれはわかりやすいですよね,だからこのあたりでこのパンフレットを使ってみようとか,例えば税の仕組みではこれを使ってみようかとか,そういうぐあいに使っているのがほとんどでございます。したがって,これはいい,これは余り使わなくてもいいということは,余りないと思います。あと,現場で結構取捨選択する場合があります。ただ,文部科学省など国から出てくるものにつきましては,指導要領との関連も深いですので,かなり使用頻度が高いと理解しております。 ◆3番(菅生敬一君) ありがとうございます。 現場で活用するのをお任せするというのは逆に一番困ると思うんです。もちろんその授業のやり方にもよるんでしょうけれども,先生はお忙しいので,これをどのタイミングで使おうとかということを,余り現場任せということにしてしまうとかえって教員の負担がふえはしないかなという危惧もありますので,先ほど言いましたようにある程度きちんと指針を出していただけるといいのかなと思います。 それから,がん教育についてなんですが,今治療しながら働いている方も大勢おられます。そういった実態を当事者である医師,患者から話をしてもらうことで命の大切さや支え合いの心の醸成,また生徒にとって今後の生活習慣で気をつけるべきことなどが学べるものと思います。中途半端なやり方ではなくて,どうすることが本来の趣旨に沿うのかをよく考えて,よりよい考え方で授業が行えるようにきちんと整理整頓して指示をしていただきたいなと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(奥島光晴君) 次に,4番 瀧波滋君。 (4番 瀧波滋君 登壇) ◆4番(瀧波滋君) 志政会の瀧波です。最後の質問者になりますと,質問も答弁も重なるところもあると思いますが,通告に従いまして質問させていただきます。 まず初めに,市内各地の公民館にお勤めの主事のことについて何点か質問させていただきます。 まずは,主事の配置人数の見直しからお聞きします。前回は平成22年度に改定されたそうですが,各地区の人口増加や,行事,催し物にもよると思いますが,各公民館主事の配置人数の見直しができないかお伺いします。担当課に聞きますと,おおよそ地区人口5,000人までは2人を配置し,それ以上の地区には3人と2段階の配置しかなく,主事が3人いる地区の中での人口が最も少ない地区は3,670人で,最多の1万5,700人ほどいる地区と主事の人数が同じでは無理があると思います。せめて3段階にしていただき,人口1万人以上の地区が明新,木田,森田,社南,中藤島,松本,和田,豊の8地区ありますので,これらの公民館に1人増員できないか,考えをお伺いいたします。 なお,主事の任期は4年間となっておりますが,主事が3人配置されている地区の中で,今任期中におやめになる方がいたのは,市内50ある公民館の中でもさきの8地区のうちの4地区で,今期中の退職者21人のうち10人を占めています。増員できれば退職の要因が少なくなるのではないかと思いますので,もう一度増員できないかお伺いいたします。 次に,継続採用を希望する主事に対して手続を省略するなど,優先して採用ができないかということ,途中退職者が出た場合の補充をどのようにしているのかについてもお伺いいたします。 最後に,社会教育主事の有資格者の方も含め,年齢が60歳に達した方の翌年度の報酬額が初任給に戻る制度については,理想は65歳ですが,1歳でも長く年齢の制約が延びないかお伺いしまして,次の質問に移らせていただきます。 3月定例会でもお伺いしましたが,運転免許自主返納支援制度の免許返納,交通弱者への対応についての取り組みについて改めてお伺いします。 3月定例会の一般質問で高齢者運転免許自主返納事業の施策と支援制度についてお聞きしましたが,高齢者の方々の多くは御自身の運転技術の低下や,周りへの配慮から,運転免許返納を前向きに考えたい方が多いようですが,生活する上で足が確保できなければ,返納は考えられない方が多いようです。車社会での返納後の足の確保は特に郊外部においては非常に難しく,交通弱者の一番の足となり得る路線バスや,地域コミュニティバスは非常に重要となります。細かい利便性の追求を図るために,地域コミュニティバスを初め,デマンドバスなどによるフィーダー路線の構築など,住民目線を大事にし,生きた意見を活用した使える地域交通網の形成が必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。 1点目に,バス利用促進に向けて利用者の声はどのように調査され,どのように活用されているのでしょうか。また,利用率向上に向けてはどのようなことに取り組まれているのでしょうか,お尋ねいたします。 2点目に,高齢者の方々の運転免許返納を活用し,バスを利用していただく事は,バスの利用率向上に大変有効と考えますが,今後返納後のサービス拡充はどのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。 3点目に,他市でもバス路線の充実により,バスの利用率が上がっている例がよくありますが,本市のバス利用率向上に向けた路線の改定などの取り組みはどのようにされておられるのでしょうか。また,苦戦していますが郊外部への取り組みはどのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。 高齢になられても,交通弱者になられても,住みなれた地域で暮らしていくためには,まちなかに出向くことも必要となるため,電車,バス,タクシーなどの公共交通機関の利便性を向上させれば,運転免許自主返納が加速すると思いますが,お考えをお伺いします。 最後に住みなれた地域で暮らすための取り組みについて質問をします。 私の生まれ育った豊地区は,人口は市内で8番目に多いですが,高齢化率も高く,65歳以上と75歳以上の人口は3番目に多いなど,多くの高齢者の方々が暮らしておられます。このような地区に,何か本市独自の高齢者思いの施策はないのかお伺いいたします。 地区ごとの高齢化の特性に応じた施策はありますか。また,今後どのような取り組みを行っていく考えでしょうか。 次に,今年度から始めた介護予防・日常生活支援総合事業についてお伺いいたします。 総合事業が始まったことにより,これまでとどのような点が変わったのでしょうか。特にどのような点がよくなったのかをお聞きしまして,総括質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。 (市長 東村新一君 登壇) ◎市長(東村新一君) 私からは,住みなれた地域で暮らすための取り組みのうち,新しい総合事業についてお答えします。 新しい総合事業は,市町村が主体となり地域の実情に応じて多様なサービスを提供することにより要支援者や生活機能の低下が見られた方に対して効果的かつ効率的な支援を目指すもので,平成27年4月から全国で順次実施され,本市では本年4月から開始したところです。これまで要支援者を対象にした訪問介護と通所介護については,専門職の配置などサービス提供の基準,内容及び報酬を国が一律で定めてきましたが,新しい総合事業のサービスでは市がそれらを定めることとなりました。また,従来の訪問介護や通所介護と同等のサービスに加え,より安価で利用できる調理や掃除の家事代行サービスなど,多様なサービスを設けたことで利用者の選択の幅が広がったと考えております。さらに,新しい総合事業のサービスのみを利用する場合は,介護保険の認定を受けることなく運動機能や栄養状態などに係る簡単な質問に回答し,基準に該当すればサービスの利用ができるようになりました。これにより利用までの手続が簡略化され,利便性が高まったものと考えております。なお,新しい総合事業につきましては,これまでも市政広報や地域包括支援センターによる利用者への個別説明などを通して理解を広めてきました。今後も適切なサービス利用につながるよう,サービス内容や利用手続などの周知に努め,高齢者の安心した暮らしを支えてまいります。 (福祉保健部長 山田幾雄君 登壇) ◎福祉保健部長(山田幾雄君) 地区別の取り組みについてお答えいたします。 現在,地区住民が民生委員や地区社会福祉協議会などと協力して,高齢者の介護予防を推進するためのいきいき長寿よろず茶屋の運営や,自治会型デイホーム事業の開催,さらに認知症高齢者への適切な対応を学ぶひとり歩き模擬訓練などに取り組んでいただいているところでございます。一方,より地区の特性に応じた施策を推進するため,市では昨年度市内65歳以上の高齢者の方5,000人を対象に実施しました介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の結果及び高齢化率や要介護認定率などの現状について13の圏域ごとに取りまとめ,各地区の特徴などを整理したところでございます。今後,この結果をもとにしまして圏域ごとの医療,介護の専門職や地区で活動する団体などが参加する地域のケア会議におきまして,その地区の特性に合った効果的な施策を検討してまいります。 (教育部長 村田雅俊君 登壇) ◎教育部長(村田雅俊君) 公民館主事についてお答えいたします。 まず,主事の増員についてですが,本市の公民館は社会教育施設として教育事業を実施することを主な目的としており,またその一方で各種委員や表彰候補者の推薦,市政広報などの行政文書配付事業等も行っております。平成22年度には主事の配置人数を見直し,人口が5,000人を超えている地区については2人から3人に増員したところでございます。また,平成25年度には公民館主事等の勤務実態調査を行い,想定勤務時間と実働時間との相違や,団体事務の取扱状況,団体事業への参画状況などについて整理をしたところでございます。今後の配置人数につきましては,少子・高齢化など社会情勢の変化やその他さまざまな状況を見据えながら考慮してまいります。 次に,主事の継続委嘱についてお答えいたします。 公民館主事の選考においては,公正及び公平が遵守されなければならないと考えております。仮に面接等を省略するなど現職の主事を優先的に扱うことをすれば,公正及び公平性を欠くことはもとより,意欲のある新たな応募者の門戸を閉ざすことにもなります。ただし,それぞれの地区での選考においては,継続して採用を希望する方のこれまでの主事としての実績や能力は当然考慮されるものと考えております。したがいまして,主事の委嘱期間の更新に当たり,前任者の継続採用を優先する手続に変更することは現在のところ考えておりません。 次に,途中退職者の補充についてですが,公民館主事が4年の任期の途中で退職した場合には,その都度新たに主事を公募し選考後委嘱を行っております。なお,その任期は前任者の残任期間となります。 次に,主事の報酬についてお答えします。 満60歳に達した次の年度から,1期目の主事と同じ報酬額になることについては,平成22年度から福井市公民館職員設置要綱に定められており,また毎年行われる公民館主事の研修等においても説明しております。また,現在の雇用制度においては,一般的に60歳で定年退職となり,再任用をされた場合でもその給与は大きく引き下げられているのが現状でございます。しかしながら,その一方で年金支給年齢の引き上げなど社会情勢の変化に対応することや,経験豊富な主事に務めていただく機会を確保することも重要だと考えております。今後とも社会情勢を注視しながら考え,判断していきたいと考えております。 (都市戦略部長 堀内正人君 登壇) ◎都市戦略部長(堀内正人君) 運転免許自主返納支援制度と,交通弱者への対応についてお答えいたします。 まず,バス利用促進に向けた調査や,利用率向上に向けた取り組みでございますが,本市ではアンケートを活用したバス利用促進事業を実施しております。この事業は,現状の利用者の方だけでなく,沿線住民の方々の御意見を幅広く伺いながらバス利用を促していくものでございまして,今年度は清水グリーンライン線の沿線世帯等を対象に実施いたします。アンケートによりまして住民の方々のニーズを把握し,その結果について住民,事業者,行政の3者で共有いたしまして,地域の方々に乗っていただけるようルートやダイヤの変更,また路線バスの周知方法等について検討し,利用率の向上に努めてまいります。 高齢者の運転免許自主返納のサービス拡充につきましては吉田議員にお答えしたとおりでございます。 本市のバス利用率向上に向けた路線の改定への取り組みや,郊外部での取り組みの考え方についてお答えいたします。 路線改定につきましては,路線の集約化や上限運賃の設定による利便性の向上,路線の確保を行っております。例えば,30分間隔での運行と,運賃の上限を300円といたしました清水グリーンライン線の新設,また運賃の上限を700円に引き下げて地元とともに利用の増加に取り組んでいる鮎川線,また路線バス赤十字みのり線を予約制乗り合いタクシー文殊山号と組み合わせた路線再編などの取り組みを行っているところでございます。郊外部での取り組みといたしましては,先ほどの文殊山号や清水地区でのほやほや号のように,予約制の乗り合いタクシーと路線バスを組み合わせて効率化を行うなど,地域の特性に合わせた交通手段を確保していくことが必要となります。このようなバス路線の再編やダイヤ改正等によりまして,利便性の向上や郊外地域への交通機関の確保を図ってまいります。効率化を図る場合には,事業者による説明や周知を行うとともに,必要に応じまして,地元が主体となる勉強会,また運行協議会を立ち上げていただき,地域の公共交通ネットワークにつきまして行政もともに取り組んでまいります。 公共交通機関の利便性の向上と運転免許自主返納の関係についてお答えいたします。 便利な移動手段があることで自主返納は行いやすくなると認識しております。本市では,車がなくても一定水準の公共交通サービスが受けられるよう,地域コミュニティバスや予約制乗り合いタクシーの運行などに取り組んでおります。今後も免許返納者や交通弱者など多様なニーズに応えるため,より快適で利便性の高い公共交通サービスの提供に努めてまいります。 ◆4番(瀧波滋君) 自席にて,要望として発言させていただきます。 いろいろとお聞きしましたが,高齢になっても,介護,援助を必要とされるようになっても,住みなれたそれぞれの地域で安心して暮らせて,家族そろって生活できる環境を構築していただきたい。高齢者や交通弱者になっても,自宅から買い物や趣味,地域へのボランティア活動などに出向いていただけるように,地域活性化の一助となるよう交通弱者の方々に対する外出支援策の推進を図っていただいて,運転免許自主返納制度が県内のほかの市町よりもおくれをとらないようにさらなる支援の拡充を要望して,終わります。 ○議長(奥島光晴君) 以上をもちまして通告による発言は全部終了しました。よって,市政に対する一般質問を閉じます。 以上で本日の議事日程は全部終了しました。 これをもちまして散会します。             午後2時36分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                   平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日署名議員                      平成  年  月  日...